PLAYNOTE NHK『プロフェッショナル仕事の流儀スペシャル 宮崎駿のすべて~“ポニョ”密着300日~』

2009年11月17日

NHK『プロフェッショナル仕事の流儀スペシャル 宮崎駿のすべて~“ポニョ”密着300日~』

[映画・美術など] 2009/11/17 08:35
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手を止める宮崎駿

もう2年半も前に放送されたものの再放送。『崖の上のポニョ』創作の現場を追いながら、宮崎駿の仕事と人生に迫るドキュメンタリー。寝る前に半分観て、起きてから残り半分観た。

右に掲げた写真はラストシーンのコンテを切っていて、ついに煮詰まり鉛筆を置いてしまう宮崎駿。僕は映画の現場というものをほとんど知らないので、まさか宮崎駿本人がああして絵コンテを一コマ一コマ切って、アニメーターが描いてきた線画をあんなに細かく修正しているとは思いもしなかった。番組の冒頭で「作家・宮崎駿」とクレジットが出て、「おいおい、作家じゃねーだろ」と一人突っ込んだものだが、机に向かって何時間も鉛筆を走らせ、頭を抱え込む姿は間違いなく「作家」だった。

これも知らなかったけれど、『ポニョ』は最後の長編映画という思いで作られたものだそうだ。長編はこれで10作目だという。10。映画監督としては多いのか、どうなのか、ただ、10。『ポニョ』も足掛け2年で作られた作品だそうだが、わずか12秒のカットのために何百枚という絵が描かれていた。しかも、この作品は一切CGは使わず、すべて手書き。

「紙に描いて動かすのがアニメーションの根源。そこに戻ろうと思う。もう一遍、自分たちでオールを漕ぎ、風に帆を上げて海を渡る。とにかく鉛筆で描く」

崖の上のポニョ - Wikipediaより

まじで魂削って作ってるんだな、このおっさんは。「ごまかして作った作品は、ばれる」と断言して若いアニメーターを叱咤していたり、「面倒くさい、面倒くさい、面倒くさい」と言いながら山積したラフ画のチェックをしていたり、こいつと一緒には仕事したくないと思わせるのには十分な描写がありながら、こういう人とこそ一緒に仕事をしたいともまた思わせる仕事ぶりであった。

宮崎駿不遇の時代や、母との関係、創作に関する信念なんかも描かれていたけれど、特に印象深かったシーンは、「ここの台詞ぜんぶ切る」と宮崎駿が言い出すシーン。「くだらない大人のための理屈はいらない」とか何とか言ってばさばさ切る、「5歳の子供にはこんな台詞いらない」。「人を楽しませるためにやっている」「精神分析的に言ったら、楽しませなきゃいけないという、強迫観念があるんだと思う」という言葉。そして、「楽しくてやってるんじゃない、やらなきゃいけないからやってる」みたいな、何だっけな、忘れちゃったけど、とても共感できる言葉があって、やってる内容も方向性も規模も影響力も違うけれど、とてつもないシンパシーと尊敬の念を抱いた。いろいろと触発される88分であった。

ジ、ジブリ映画なんか大嫌いなんだから!

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コメント

投稿者:ふくへら (2009年11月18日 01:16)

この後にやってた久石譲の武道館ライブの特番で号泣でした.NHKのせいで寝不足でした笑