PLAYNOTE 五反田団『生きているものはいないのか』『生きているものか』

2009年10月24日

五反田団『生きているものはいないのか』『生きているものか』

[演劇レビュー] 2009/10/24 23:51

五反田団なので観に行った。さらに、と言うかこっちがメインなのだが、DULL-COLORED POPの第6回および第8回公演に出演してもらっている素敵女優・久保亜津子さまも出ていたので当然観に行った。時間堂の日曜WSで知り合った遠藤留奈ちゃんも出ていた。

だが、作品がとにかく素晴らしかった。新作、『生きているものか』、必見です。

『生きているものはいないのか』から観劇。ウィルスだか生物兵器だかよくわからん事情でただバタバタと人が死んでいく。そういうお話。

僕はこの作品を観て今ひとつピンと来なかった。他人との関わり合いが薄い人々を描いているな、と思った。死を前にしても平然して動じなかったり、スルーしちゃう感じの時代感覚。それはよくわかる。死ぬときみんなバタバタ手足を振り回してびくびく痙攣し、変な死に方をする。死すらもカリカチュアライズされてしまう。そして殺伐感だけが残る。

とても笑えるし、とてもユニークだし、でも今ひとつピンと来なかった。それだけ? まだ何かあるだろう、と。とにかく安易なカタルシスというものを避けている作り方、という印象を受けた。だからその分、その裏が観たかった。面白いんだけど、面白いんだけど!! みたいな。

『生きているものか』が、これが素晴らしかった。『~いないのか』の真逆をやる作品で、死んでいる人たちが生き返っていく。時間が戻っていく。反対方向に物語が進み、ただの死体だった人たちの物語が立ち上がっていく。人物たちは後ろ歩きで登退場していくのだが、これが違和感とコミカルさを生んでいて面白い。

つってもやっぱり「安易なカタルシス」には陥らないのが作家性なのか、ドライかつシニカルかつ「超」笑える形で死ぬ前の人々の行動を描いていく。だから余計に切ないの? わかんない。でもラストのシーンには、「いのち」を大事に、みたいな「安易な」メッセージが、実に余韻深く臭くない形で描写されていて、その後の暗転の静寂がじんと胸を打った。

新作『生きているものか』は、必見です。ぜひ、観に行って下さい。

追伸。『生きているものか』では、久保さんが爆笑王の座をゲットしていた。さすが久保さん。あんな久保さんは絶対この先観れないから、久保亜津子ファンは是非観に行くように。DULL-COLORED POP主宰命令です。