PLAYNOTE DCPOP9『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』上演のお知らせ

2009年09月11日

DCPOP9『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』上演のお知らせ

[公演活動] 2009/09/11 02:11

次回のDCPOPは2本立てです。『ショート7』のようなパッケージング作品ではなく、完全に独立した2作品です。片方は(『プルーフ/証明』)、ウェルメイド・プレイ、骨太なドラマを持つ会話劇、俳優同士の交流が生む奇跡、そういう作品で、もう片方(『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』)はアヴァンギャルド全開、プロットもト書きも役の指定もない破綻劇、演出においてかつてないほど遊び冒涜する芝居、そして谷賢一出演と、まるで方向性の違う2本。

活動休止を前に、すべての引き出しを開けきって、そしてゆっくりおやすみ。おはようは言わないで。

DULL-COLORED POPでは、10/7(水)~10/13(火)にかけて、第9回本公演『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』を上演致します。それぞれ、奇数日は『プルーフ/証明』、偶数日は『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』が上演されます。

『プルーフ/証明』は、アメリカ人の劇作家デヴィッド・オーバーンによって書き下ろされ、2000年に初演された現代アメリカの最高峰と言っていいクオリティを持った戯曲です。トニー賞・ピューリッツァー賞をはじめ、5つの演劇賞に輝き、今も再演の絶えないこの名作を、斬新かつ攻撃的な演出と、理想的なキャスティングにて板に乗せます。過去に時間堂・コロブチカ・ひょうご舞台芸術・ハイリンドなどの上演歴がありますが、今回はDULL-COLORED POP主宰・谷賢一によるオリジナル翻訳に加え、2年半温め続けてきた演出プラン、探し求めた理想的キャスティングにより、最もこの本の根源をえぐる作品にしようという気概です。

思えばこの2年半、僕の心の回りを執拗に飛び回っていたこの戯曲を、こうも理想的な条件にて上演できるということに、1つの幸福と1つの不安を感じます。ある天才数学者とその娘たち、1人の若い数学者を通して描く、才能のボーダーラインと信頼のカタストロフィを描くこの1作は、完成されたキャッチーさが人生において最も残酷な一瞬を暴くという意味において、象徴的な作品です。

『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』は、一言では語りきれない戯曲です。まず、僕がイギリスへ留学中に出会い、その粉々に砕け散ったガラスのような美しさと切実さ、演劇芸術への憎悪と愛情という点において、戸惑いにも似た興奮を覚えた1作です。

この上演は2人芝居です。まず、自ら出演する主宰・谷賢一と、その6年来の演劇的パートナーである堀奈津美の2人芝居であるというのみならず、90年代イギリス演劇界を最も揺さぶった劇作家であるサラ・ケインと、00年代の日本を生きる若く未熟で野生の狼のような瞳をした劇作家・演出家である谷賢一の、ガチンコ1本勝負です。谷と堀、6年来演劇において繋がっていた2人だからこそできる濃度であると共に、サラ・ケインと谷賢一、演劇に溺れそして苦しんだ2人だからこそできる絶望的に甘美なコラボレーションです。

ギリシャ悲劇からシェイクスピア、歌舞伎、近代市民劇、現代口語劇まで触れた後で、私たちに新しくできることは何なのか。それくらい大きなものへ挑むつもりで、この作品への愛撫を始めている私たちです。

DULL-COLORED POPは本公演を持って無期限の活動休止となります。だからこそ、『プルーフ/証明』と『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシス~』を通して、僕たちの捨て鉢な挑戦に最後のはなむけをしてやりたい。すべて出し切って虚脱呆然自暴自棄、そういうところまで追い込んだ「いい演劇」を、皆様にお届けします。

なんて、ちょっと気負った書き方し過ぎってのはわかってんだけどね。シラけてちゃカッコ悪い、ってこと、あるじゃない。僕らは演劇が好きすぎて、もう後戻りできないくらいに憎んでいる。ぜひ、ご来場下さいませ。

公演情報:第9回本公演『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

DULL-COLORED POP主宰 谷賢一

ご予約はこちらから。集大成です。

http://ticket.corich.jp/apply/15621/006/