PLAYNOTE ブランヴィリエ稽古

2009年08月08日

ブランヴィリエ稽古

[公演活動] 2009/08/08 02:11

今日はreset-N原田紀行さん、百花亜希ちゃん、向陽舎・久保亜津子さん、三嶋義信さん、elePHANTMoon酒巻さん、マルタン高橋らと抜き稽古だった。濃密な時間を過ごせたと思う。

原田さんのことが僕はとても好きで、人間としても演劇人としても大変尊敬している。そういう人に演出をつけるというのはなかなか気負う仕事なのだが、気を遣っては返って失礼というものだし、あれこれ口を出す。真っ直ぐ目を見て話を聞き、俺のような驢馬の糞にも届かないクソ野郎の演出に「はい、わかりました。」と敬語で応答してくれる原田さんに、改めて頭が下がる。今日一日で原田さん演じるゴオダン・ド・サントクロワの輪郭はぐっと濃くなった。俺は嬉しい。

ももちゃんこと百花亜希嬢も、これまた先輩なのだが、天衣無縫で天真爛漫なナイスガールで、一緒に演劇をやっていてとても楽しい。ポジティヴに演劇に取り組める相手だ。いろいろな役をやらせてみたいし、いろいろな演目でやってみたい。先の話をするのはタブーだろうが、また絡みたい出演者の筆頭である。エレーヌという役を任せているけれど、自分にとってとても重要な役なので、彼女とはまだまだ距離を詰めたい。

久保さんとはこれで2回目、1stマリーでも出演していた彼女だが、前回とはがらっと変わる立ち位置であり、新鮮である。どうしてこうも距離が近いのかわからない。一度公演を一緒にやっただけなのに、これだけ距離が近いのは、ただご一緒したというだけでなく、その後、いろんな局面で、例えば芝居を見に行ったり観に来てくれたり、電話したりビールを飲んだりという間に、様々なことがあったからだ。一言で言って、年の離れた友人なのだが、年が近ければ恋していたかもしれないと思うほど、美しくて可愛らしい心をした方である。とか書くと失礼に当たるのかしら。僕はまだよくわからない。

三嶋さんは「悪そうな奴は大体友達」みたいな空気感を放出しているが、たぶん本当は花壇の花に水をやったり、捨てられた子犬にミルクを上げたりする男の人である。彼も先輩なのにきちんと僕の演出に「わかりました」と応答してくれる真摯な人である。いや、今回の現場にいる人は、そういう「できた人」ばかりいるのだが、三嶋さんはワイルドっぽく見せておいて演劇作品そのものへの愛というか向上心というか、努力の値があって、素敵な人である。

酒巻さんは本当にいじり甲斐のある人で、一言声をかけるとドンと挑戦し、ある時は三振し、ある時はホームランを打ち、そういう挑戦的な姿勢がとても僕を助けてくれる。彼はRPGの武器で言ったらモーニングスターみたいな重さや大きさがありながら、心根は川辺のタンポポみたいに優しい人で、そういう人間的な厚みが演技にも反映されているように思う。聞いたことないが、いろいろつらい経験をたくさんされているのだろう。実人生に葛藤のある人だから、演技にそれが見えてくるんだ。

マルタン高橋は可愛い奴で、まだ未熟だしまだ早計なのだが、ガッツと熱意のある男だから俺は気に入っている。こういう人間が成功しないといけないと思うし、こういう人間を育てたいと思う。わかりやすく後輩、という立場の人間がDCPOPに絡むことって実はそんなにないので、俺もうまく対応できていない気がしているのだが、彼はうまく立ち回っている。本番での成長が楽しみだ。

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昨日は通し稽古であった。僕にはむしろ欠点しか見えないような通しであるが、出演者やスタッフからは美点・長所を指摘されて、少し折れた鼻の痛みが減る。

いつまで自分はこういう本を書くのかわからない。そろそろスタイル探しの旅は終わっていいのだろうけれど、まだまだ探り足りない気がする。俺は、実のところもっと勉強したいと思い続けていて、今回みたいな引き出しを開けてみて、またストックが減ったとおどおどしているような人間だ。

今回みたいな引き出しを開けたからには、責任を持って開け切らなければならないんだろう。まだ自分の心のチューニングが作品に合っていない感じがする。出演者に対する要望・要求もまだまだいっぱいあるが、もっと自分の頭が冴えるといいなと思う。心の中身を半分捨てて書いた本だが、残りの半分も捨て去って、いっそ出家でもするくらいのつもりで向き合わなければならないんだろうが、今までそういうことができていたのは何故かと言えば、それは安心できる環境というものがあったからだ。今回、16人も出演していて、ほぼ全員が初絡みという状況、そして自分の人生が大きく動いている昨今だが、もう創作に安心していいだけの足場は揃っている。

足場を信じるかどうかは、自分次第だろうし、あるいはそれは秋の天気のように日替わりなんだろうとも思うが、コーヒーとビールと煙草さえあれば何でもやれると思っていた僕に、戻りたいとも思う。

マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人は、今どきあり得ないような新劇みたいな台詞と、今どきあり得ないような時代がかった設定で、「演劇にはこういう面白さもあるんだぜ」ということを若い劇団がやろうとしている挑戦作です。ぜひ、観に来て下さい。ご予約はこちらから

今だから言うが、TやNやNの首を鎌で切り取ってしまいたい。

ところで結局観に行けずに終わってしまいそうな、世田谷シルクの成功を祈る。俺の知ってる天才どもが何人か出ているから、是非観に行きたいと思っていたのだが、行けそうにない。ごめん、みんな。頑張っておくれ。