PLAYNOTE 稽古日誌:『エリクシールの味わい』

2009年04月27日

稽古日誌:『エリクシールの味わい』

[公演活動] 2009/04/27 03:43

いよいよ明後日から本番のDULL-COLORED POP短編集『ショート7』。今日は最後の稽古日誌、新作書き下ろし短編『エリクシールの味わい』について。

業界初・飲尿ミュージカルなんだぜ。業界初とか言ってるけど、最初で最後になるだろうな。岡田あがさ・小林タクシー・清水那保という贅沢なキャストを無駄使いするつもりで書き始めたが、無駄遣いどころかこの上ない有効活用。さらに作曲・生演奏として身の回りで天才度数がトップクラスに高い伊藤靖浩くんを起用。今んとこ、すごいものになっています。

笑って泣ける、おしっこミュージカル。バカじゃねーの、このうたい文句。でも本当だぜ。

初日、まもなく完売です。ご予約はお早めに!

DULL-COLORED POP7.7『ショート7
2009/4/29(水・祝)~5/6(水・祝)@Pit北/区域 ☆ 前売2500円・当日3000円

以前ある作家が、「何か一本書くときには、最低二つ、軸を用意する。一つだと平板になる、聞き分けのいい話になってつまらなくなる。三つだとブレる。二つがちょうどいい」とかそんなことを書いていた。

もともとずっと前から、飲尿に関する話を書きたいと思っていたんだ。で、今回、タクシーさんとあがさちゃんという飲尿ヒーローと飲尿ヒロインの出演をとりつけることができて、いざ筆を進めてみれば、うまくいかない。飲尿一本だと話が進まない。さぁ、どうする?

…そこでなぜ「ミュージカル」に飛躍したのかぜんぜん覚えてないんだけど、はっきり覚えているのは、こないだのMrs.fictions稽古の帰り道、確か南千住近辺の高架下でパッと思いついて、その勢いで伊藤くんを捕まえた。「飲尿ミュージカルなんだけど」って言っても彼は動じない。さすがである。

それがまさか生演奏になるとは思ってもいなかった。ライブハウスとかで使うようなキーボードを借りてきて、打楽器を入れて。伊藤くんは専門はボーカルだが、音大出だしピアノも管楽器もイケる奴なので、どんどんアドリブで芝居に曲を乗せていく。本当、魔法でも見ているようで、むちゃくちゃカッコいい。飲尿ミュージカルが、だぜ。

ディーバという言葉がマジで相応しい岡田あがさ。あの若さであの貫禄とトンチキな言動は実にナイスだ。ああいう飛んだ役をハメて説得力が持てる人は限られているから、自分はマジでラッキーである。のぞき部屋演劇を主催してるだけあって変態道においては一目置いているタクシーさんだが、彼は存在自体がポップなので、おしっこについて歌ってもひとつも嫌味じゃないしグロテスクじゃない。そんな奇跡が、王子の地下で閃光を上げようとしている。

お話としては、ミュージカルの特性をいろいろいい意味で、ストレートに使っている一本だと思います。「とつぜん歌う」ってことに対して、自分なりのエクスキューズはつけているけれど、やっぱりその場で鍵盤から音が鳴って(まぁ実際はキーボードだけど)、音楽が魔法のように生まれて、空気を振るわせるメロディが響く、そこに人間は感動しちゃうんだよな。稽古場で、おしっこミュージカル観て、涼くんがマジ泣きしていました。してやったり。

新作なので、作っていて先が見えないのは恐ろしいが、楽しいのも間違いない。これ一本で本公演にできたよなぁ、ってくらいの密度の高さなので、ぜひぜひぜひぜひぜひ、これだけ観るつもりででも観に来てくれて損はさせませんよ。…二度とやらない内容だと思うしね。

作・演出:谷賢一(DULL-COLORED POP)
音楽:伊藤靖浩(作曲・演奏・音楽監修・歌唱)
出演:岡田あがさ、清水那保(DULL-COLORED POP)、千葉淳(東京タンバリン)、小林タクシー(ZOKKY)、桑島亜希、佐々木なふみ(東京ネジ)、田中のり子(reset-N)、ハマカワフミエ(国道五十八号戦線)