PLAYNOTE 稽古日誌『アムカと長い鳥』

2009年04月23日

稽古日誌『アムカと長い鳥』

[公演活動] 2009/04/23 02:48
『アムカと長い鳥』1

短編7本やるよ企画、『ショート7』。DCPOPが飼育する平成の化け猫・清水那保がお送りする、一人芝居『アムカと長い鳥』について書きます。写真は初演版のもの。こんなんやってました。目撃者巣128人の悪夢です。

キャッチコピーは『身も心もセミヌード』ですが、セミヌードどころか皮を剥いでその裏側を見せようっていう一人芝居。ベビードール(下着?の一種)一枚という、共演者の堀越涼くんが一言で「頭おかしだろ」と切って捨てたトンデモ衣装で臨む演目ですが、刮目すべきは肌ではない、魂だ。

DULL-COLORED POP7.7『ショート7
2009/4/29(水・祝)~5/6(水・祝)@Pit北/区域 ☆ 前売2500円・当日3000円

いろいろなことがありました。この本を書くに当たっては。もともと、一人芝居四本立てっていう、ちょっとどうかと思うような企画『4 nudists』の目玉作品の一つとしたものです。確か、二晩で書きました。一番目に書いたプロットは全ボツにして、二つ目のプロットで、書いたものです。

いろいろなことがありました。当時、世間を騒がせていた「とある事件」と、俺の心を騒がせていた「とある病気」、そして俺の魂を毎日ゆっくりと蝕んでいた焦りやプライドが書かせた本です。どんな本でも、どの役でも、程度の違いはあっても基本的には自分の分身です。俳優的技量がないので演じることはできないけれど、心理的にはわかるんだ。そうでもなけりゃ書けないですから。ペラくなる。

清水那保の一人芝居です。ポエムと独白と生活が交差する作品です。

当時、僕は24歳で、いろんなことに焦っていたんだな。それこそ人も殺しかねない勢いで。借金を返すために毎日パチンコ屋でバイトして、似合わない仕事、似合わない会話に取り巻かれながら、ゆっくりと年を取る、その間隔に恐怖していたのを思い出します。いい本です。

清水那保の魅力を一番うまく引き出せるのは自分だと信じて疑わないけれど、これは、僕と那保ちゃんの最もエキセントリックで、アンチ・ポップで、愛と憎悪に満ちた一作です。この作品を作るに当たって、何度彼女を引っぱたいたかわからないくらいだし、何度涙が流れたかわからないし、何度二人で励まし合ったかしれません。センチメンタルなことを書いて恥ずかしいんだが、ね。死ぬか生きるか、そういうとこでやっている作品だと思います。

もともと「アンチ・ポップ」という題名の企画で上演したものですから、万人ウケするものではないでしょう。それでいいんだよ。当時のアンケートを読み返してみると、一部の人に、すごく奥深く刺さっていて、いろいろな感想をもらいました。嘘の感想と本当の感想はすぐにみわけがつくからね。ははは。

ぜひ、観に来て下さい。これが、『ベツレヘム精神病院』のアムカに繋がり、『小部屋の中のマリー』のマリーに繋がった役です。言わば俺と清水の原点なんだな。三年前の僕らより、俺たちはうまくやれるだろうか? 今のところ、作戦勝ちはしている。ただし、作戦じゃあ演劇には勝てないから、ここから一週間でどう自分と清水を追い詰めるか、そういう話になってくる。

ほとんど、演劇と言うより、迫害です。