PLAYNOTE 『ソヴァージュばあさん』のタイトルの意味

2009年03月30日

『ソヴァージュばあさん』のタイトルの意味

[公演活動] 2009/03/30 22:55

今度『ショート7』でも再演する『ソヴァージュばあさん』。「ばあさん」ってどうよ、と思い、改訂台本では「ばあさん」の使い方にずいぶん注意して書いたんだが、フランス語の単語の意味を調べてみたら意味が深くて驚いてしまった。

フランス語の原題は、「La Mère Sauvage」。謎解きの開始だ。俺はフランス語は毛頭わからない。

Laは定冠詞、Theと一緒だろ? Sauvageってのは英語のSavageと一緒で、野蛮とかどう猛なとか、そういう意味だろう。問題はMèreだ。メア? マレ? わからん。英語タイトルだと「Madam Savage」になってるようだから、Mèreはてっきり夫人とか中高年の女性のことを差してるのかと思って、大きな思い違いをしていた。

Mère で仏和・仏英などいろんな辞書を引いてみたが、「Mother」って出るのね。ソヴァージュかあさん? いやいやいや、そんなこともねぇだろ、原文中に村人からもそう呼ばれてるって書いてあるし。息子の名前がソヴァージュってわけでもないし。

万策尽きて、えいっと Google.co.jp に突っ込んでみたら、あっさり解決してしまった。フランス語・・・LA MÈRE MICHEL ミシェルおばさんより。

mère = 「母親」が一般的な意味ですが、ここではよその女性に対する呼びかけの「おばさん」の意味です。

なるほど! これは深い。日本語でも「阿部さんちのおばさん」とか言ったりするけど、フランス語では「おばさん」と「ママ」が同じ単語なんだな。

『ソヴァージュばあさん』では母性というものが強烈に話題の中心になっている。そう考えるとなかなか深いタイトルだ。

村人たちは、おっかねぇ一人暮らしのやもめを「野蛮人おばさん」と呼んでいる。その家に住むことになった若者たちも、「野蛮人おばさん」と聞いて最初は警戒するが、やがて「おばさん」の意味が「ママ」にすりかわってくる、って寸法か。憎い。実に憎い。「おばさん」が「ママ」に変わる瞬間を描いているわけですね。

* * *

上記の文章とは全く関係ないけど、モーパッサンファンにはたまらないサイトを一つ紹介。これはすごい。思わず二時間近く読みふけってしまった。きちんとした研究者の方が書いているモーパッサンの紹介サイトだけど、本邦初訳となる作品もいくつか紹介されている。

コメント

投稿者:みあざき (2009年04月04日 11:39)

そこからいくとmadamって英訳するのもなんか違う感じ。ソヴァジュ夫人、ってイメージだもんね。どっちかっていうとaunt savage…かね。sauvageも和訳しづらいね。やまんば?野蛮ばぁ?(駄洒落か)へんくつ?変人?
言い回しを訳すのは結構できたりするけど、単語になると、それ自体の持つ意味の深さがあるからなかなか難しい。
さっき妹と「(カタカナ語としての)ミラクル」と「奇跡」と’miracle’は違う、って話をしていたところなので反応しました。
実は何回かてしまあつこ氏に谷きゅんの舞台みに行こうと誘われているのだけれどいつもタイミングが合わなくて行けません。こんどの奴は観られたらいいなと思っています。
がんばってくださいなー。北柏発期待の星。笑

投稿者:Kenichi Tani (2009年04月05日 02:59)

auntって近所のおばさんとかに使う用例ってあるのかな? 聞いたことないけど。いずれにせよ英訳もむずいだろうね。Ms.SavageとかMrs.Savageとかが無難なんだろうけど、ちょっとフォーマルっちゃうようなぁ。
miracleの違いは俺知らないな。よかったら教えておくれ-。