PLAYNOTE 国道五十八号線線『誰も寝てはならぬ』

2009年03月08日

国道五十八号線線『誰も寝てはならぬ』

[演劇レビュー] 2009/03/08 00:04

いい作家といい俳優のチームなので観に行った。神楽坂die pratzeにて。以下ネタバレ。

初演は同じ大学にいながら見逃しているので初観劇。

序盤から前に出る岩☆ロック氏の馬力がすごく、かつきちんと周りに合わせておりすごい。座長級の活躍。菊池さんは配役の時点で勝利であるし、銀石から出演のラムキ氏も個性を消さないいいキャスティング。初演観てないが書き換えてるんだろうか。劇団員三人は相変わらずきちんと自分のポジションを理解しつつの立ち回りでそつがなく、実にいいバランスのチームであると再認識。今回は特に伊神くんが良かった。丁寧だしセクシーだ。

劇団が自己紹介代わりに使っている「ラストでどんでん返し」を最もよく体現した作品。思わず背筋がすっと伸びる展開、最後は取り残されたような虚無感が残るいいラスト。作家の筆力、構成力を感じる。それゆえラストの十五分は実に楽しんで観れた。それまでの演劇病チックな大振りの芝居から、現代口語演劇にゆるゆるとした空気に振れて一安心。楽屋モノと言うよりメタシアターでありメタ構造の作品である。最後には独我論に飛ぶのも美しい落とし方。再演だけの理由があると思わせる、面白い本である。

俳優と本がまとまっていただけに、美術のぞんざいさが残念である。メタであるから張り子っぽい・作り物っぽいぞんざいさを、という意図なのかもしれないが、そういう解釈が許されるまでの60分間は単純に予算がなかったのかなぁとか思って気持ちが萎えてしまい、どんでん返すまでのペラい芝居とあいまって、あれ、こんなにチープな芝居をする集団だっけ、と思ってしまった。照明も絵を描いていない。

こういう最後でうっちゃり系のドラマで難しいのは、どこまで伏線を撒いてどこまで気づかせずに隠し通すかだろうけど、その微妙なさじ加減をかなり巧みにやっていた点はさすがのセンス。もう一つヒントがあってもよかったかとは思う。伏線が繋がれば、「あっ! やられた!」っていう驚きが生まれる。もう一点、うっちゃり返すにはもったいないほど面白い、演劇絶滅後の世界という設定や、『誰も寝てはならぬ』という印象的なタイトルの必要性が浅いように感じたのは残念。

しかしそういう些事を補って余るほどにどんでん返しのダイナミズムを感じさせてくれる本である。野心を感じる本である。視野の広さを感じる本である。この先が楽しみ、と思わせる本である。6500円出して観たいとは思わないが、3500円出して観る芝居にも化け得るとは思う。あとで1800円と思い出して、びっくりした。

コメント

投稿者:D (2009年03月08日 04:47)

初演では岩☆ロックさんの役を伊神さんがやっていたよ。

投稿者:D (2009年03月08日 04:49)

初演時には岩☆ロックさんの役を伊神さんがやっていたよ。

投稿者:D (2009年03月08日 04:51)

初演時には岩☆ロックさんの役を伊神さんがやっていたよ。

投稿者:D (2009年03月08日 04:53)

わあ、エラーが続いたと思ったらこうなった。