PLAYNOTE 台本が難航しても稽古には行く

2008年12月19日

台本が難航しても稽古には行く

[公演活動] 2008/12/19 00:35

プロット六本潰して草稿二本潰して、三本目の源氏脚本案を引っ提げて、「風邪なんで休みますー☆」みたいなメールに苛々しながらも、それでも稽古には行く。

あぁ嫌だ、こういう、欠席・遅刻が発生するタイミングにはナーバスにならねばならない。要は現場が緩んでいるということだ。松ちゃんや洋ちゃんや廣瀬くんの熾烈なサポートのおかげで首の皮一枚でつながっている俺のポジションだが、無論、崖っぷちであることには変わりがない。

これほどプロットを没にしたことは今までにあり得ない。改めて文学魔獣ムラサキシキブントゥの強大さに打ちひしがれる。

そして辿り着いたプロット&脚本は、もはや自分の演劇的知識をフル回転・総動員させて挑んでいるため、こんなの市民劇でできんの、と思うような綱渡りを多数しているものだが、まぁ、これが一番可能性は高いんだろうなぁ。

没ったプロットとしては、モグタンが登場する「源氏☆はじめて物語」というのがあった。酷いタイトルだが、そこは「一周回って面白い」と思って笑ってくれ。馬鹿馬鹿しい着想だがプロット的には一番練られていて、光源氏が登場しない、光源氏の周囲の人間を通して光源氏を描くという三島の『サド侯爵夫人』のような構造を持ちつつ、騒動舎っぽ馬鹿なノリをミクスチャーし、シェイクスピア的な人物とりちがえプロットをはさむことで登場人物たちを几帳の中から追い出すことをやっていた。

内容的には須磨・明石のあたり、源氏の不在の都を描くというもので、弘徽殿の女御(大后)を全面に押し出した作り。弘徽殿の大妃って、あいつかわいそうだと思うんだよ。だって、最愛の夫をどこの馬の骨ともわからねー女(桐壷の女御)に奪われて、その息子(=光源氏)が、天皇からも周囲からもちやほやされて、挙句、天皇の嫁に出そうと思ってた自分の妹を傷物にしちゃうんだから。紫の上を少女漫画的ヒロインとしたら、弘徽殿女御こそ演劇的な意味で悲劇のヒロインと呼べるものだろう。

その理由はもう一つあって、この弘徽殿女御、明石・須磨の間に、光源氏を追放した(まぁ追放ではないが)せいで、前の帝の亡霊に祟られて、えらい目にあうことになる。まず息子である朱雀帝は眼病で苦しんだ挙句、失明。父である太政大臣は病死。自分も病に見舞われ、朱雀帝の病や太政大臣の死去もあって、権力の座からすべり落ちてしまう。この辺の、地で呪われている感じが何ともアツい。

というわけで弘徽殿女御にスポットライトをあてた本を書く予定だったが、頓挫した。これは悔しいなぁ。まぁ、しょうがない。

今日は稽古でニュー台本を読み合わせて少し稽古らしい稽古もしたが、時間がかかりそうだ。大勢の人間の心・動き・声をあわせるということ。うまくやれば空間に魔法がかかるが、下手にやるとみっともなくっておしまい。きちんと稽古したいが、そのためにはこのところぼつぼつ増えている病欠・遅刻を排除せねばならぬ。大変だなぁ。

何が大変って、このニュープロット台本も、まだ序章が書き上がったところだから、明日・明後日と地獄を見ねばならないということだ。。。取り合えず今日は早く寝よう。