PLAYNOTE 『詩学』メモ

2008年11月18日

『詩学』メモ

[読書] 2008/11/18 16:58

十年ぶりくらいに『詩学』をちょいちょい拾い読みで再読。

第四章 詩作の起源とその発祥について より

  • (1)まず、再現(模倣)することは、子供のころから人間にそなわった自然な傾向である。しかも人間は、もっとも再現を好み再現によって最初にものを学ぶという点で、他の動物と異なる。(2)つぎに、すべての者が再現されたものを喜ぶことも、人間にそなわった自然な傾向である。このことは経験によって証明される。なぜならわたしたちは、もっとも下等な動物や人間の死体の形状のように、その実物を見るのは苦痛であっても、それらをきわめて正確に描いた絵であれば、これを見るのを喜ぶからである。

第五章 喜劇について 悲劇と叙事詩の相違について より

  • ……なぜなら、滑稽とは、苦痛もあたえず、危害も加えない一種の欠陥であり、みにくさだからである。

第六章 悲劇の定義と悲劇の構成要素について より

  • 悲劇とは、一定の大きさをそなえ完結した高貴な行為、の再現(ミーメーシース)であり、快い効果をあたえる言葉を使用し、しかも作品の部分部分によってそれぞれの媒体を別々に用い、叙述によってではなく、行為する人物たちによっておこなわれ、あわれみとおそれを通じて、そのような感情の浄化(カタルシス)を達成するものである。
  • 悲劇は行為の再現であり、行為は行為する人々によってなされるが、これらの者は性格と思想においてなんらかの性質を持っていなければならない。……行為には、おのずから思想と性格という二つの原因がある……

※行為=PRAXIS。動物や子供は行為しない。意図的な行動のことを行為と言う。

  • ……もっとも重要なものは出来事の組み立てである。なぜなら、悲劇は人間の再現ではなく、行為と人生の再現だからである。幸福も不幸も、行為にもとづくものである。……人々は、たしかに性格によってその性質が決定されるが、幸福であるかその反対であるかは、行為によって決定される。それゆえ、(劇のなかの)人物は性格を再現するために行為するのではなく、行為を再現するために性格もあわせて取り入れる。
  • さらに、たとえある作者が、性格をよくあらわしていて、語法と思想によって巧みに作られた演説を次々と並べても、悲劇の効果は得られないであろう。
  • 悲劇が人の心を最もよく動かす要素は、筋を構成する部分としての逆転(ペリペテイア)と認知(アナグノーリシス)である
  • 性格とは、登場人物が(何を)選び、(何を)避けるかが明らかでない場合に、その人物がどのような選択をするかを明らかにするものである