PLAYNOTE PLAT-formance『aquapolis』

2008年11月17日

PLAT-formance『aquapolis』

[演劇レビュー] 2008/11/17 00:39

全然知らない劇団さん(と言うかコントユニット)なのだが、突然ご丁寧なご案内メールを頂き、是非観て欲しいと書かれていたので観に行った。観に行く義理など全くないのだが、こうやって精力的に飛躍を目指している団体は尊敬する。ルデコ5Fにて。

内容は羅列型のショートコント。どの話もいわゆる時事ネタを積極的に拾っており、時事ネタを簡単にウケがとれる便利な方便として考えていると言うよりも、作品作りの中核に据えている点には注意が必要だなと思った。これがこの団体のいわゆる作風なのか、今回限りのことなのか、それはわからないけれど、いい効果を上げていたと思う。

スタイルとしては男二人、椅子用の小箱と小道具だけを使ったショートコントで、ラーメンズを髣髴とさせる。会場の空気も暖かく、ネタも小粒ながら粒ぞろいでいいものが揃っていたので、くすりくすりと笑わせて頂いた。何か一発、爆笑できる破壊力のあるネタが欲しかったとは思うが、一時間ちょっとで気軽に観れてくすりと笑える、くつろいだ素敵な時間。

いいなぁと思ったのが何気に舞台美術だったんだ。舞台上手下手後方のスピーカーの上に、何やらポンプらしきものが取り付けられた10センチ四方ほどの長方形の小皿が置いてあり、その中にひたひたと水が貼ってある。それを青いゼラを噛ませたクリップライトが至近距離から狙っていて、水面が揺れるのに合わせて光も揺れる。些細なセットだが、「aquapolis」というイメージを一貫して演出していたし、転換中の何でもないブル転がぐっとお洒落に見えた。一点、難点を言えば、ルデコだからしょうがないとも言えるけど、客席の組み方がトリッキーで、柱に隠れて出演者の顔が見れない瞬間があったのは残念。の二人はいずれも魅力的であった。朴訥としたキャラクターで笑いを誘う安藤理樹氏と、理知的で冷静な突っ込み・ボケで笑いを作る吉田能氏。息もあっており、オーソドックスなコントを実に丁寧に作り上げている。この二人とは別にこの団体にはオカヨウヘイ氏という作家がついているそう。なるほどね。

手堅いコントだった、と書くと何だか悪く言っているように聞こえてしまうのが歯がゆいのだが、手堅く丁寧に作るってのはかなり難しく、また時間と忍耐の要る仕事なので、是非誉め言葉として献上したい。年金未納問題をおちょくった話と、銀行強盗の速報がいつの間にか台風中継に切り替わっている話、それと冒頭の象を連れた占い師の話が特に面白かった。

男二人が出演するコントというのをスタイルにしているようだが、宣伝美術にしても舞台美術にしても劇中音楽にしてもそこはかとなくセンスいいじゃん感が漂っており、すごく柔軟な発想をしているという印象のあるユニットなので、今後の展開に期待したい。次はプロデュース公演風にしたいとも言っていたが、どういう攻め方になるんだろうか。

ご案内、ありがとうございました。