PLAYNOTE 明治大学文化プロジェクト『十二夜』

2008年11月12日

明治大学文化プロジェクト『十二夜』

[演劇レビュー] 2008/11/12 05:38

後輩がわらわら出ているので観に行った。御茶ノ水アカデミーコモンにて。

夏に三日もかけてワークショップまでやった出演者陣なので、他人ごとではないのだが、その後多忙を極めて様子を全く観に行けてなかったので、微妙な距離感のハートで観に行った。お弁当持って子どもの授業観に行く気分。もちろん俺は独身貴族だ。

よかったところは、シェイクスピアを身近なレベルにまで引き摺り下ろしているところ。下卑たギャグが多かったが、まぁあれくらいやった方がぶっ壊す意味ではいいんだろう。台詞の処理が浅いと言えば浅いけど、台詞に振り回されていないって意味ではいいことだと思う。「そうか、お客さんってのは台詞きかないんだ!」って当然のことが再発見・再確認できました。

悪かったところは、ごめん、正直に書くよ、演出。演技指導は成されたのかもしれないけれど、演出は加わっていない。朝月さんの衣裳はあのホールに負けないって意味ではすごいんだが、やっぱりあれに世界観が拘束されちゃっていて、自由になれてない気がするし、フェステやマルヴォーリオなんかは俳優は頑張ってるんだけど今一つどういう奴なんだかわからず仕舞いだった。全体的に、あちこちその場その場で面白いことをやろうとした結果、ただ演ったシェイクスピアという印象。

わかってるんだ、わかってるんだよ、難しいことだってのは。あんなもん演出するなんて、嫌だもの。僕は『マクベス』『ロミオとジュリエット』とやってるけれど、どちらも簡単なのだもの。一番簡単な二本を選んで演出した、ってくらいのものだもの。ただ、文化プロジェクトって、演技を教えてくれる人はその辺にぽろぽろいるけれど、演出を教えてくれる人ってのはいねーんだなってことに気がついた。まぁちなみに、俳優養成機関が少ない足りないって世間じゃ不満たらたらだけど、演出家養成機関は一つもないです。

あと、擁護するとすれば、やっぱり、アカデミーコモンはクソ小屋なんだよなぁ。俺も見ながらいろいろ代替演出を考えていたんだけれど、あのサイズと技術的・予算的制約があると、なかなか思い切ったことはやりづらい。学生の独自性・オリジナリティを出すためには、はっきり言って一番よくないタイプの劇場。と言うかあれは劇場ではない。多目的になり過ぎた結果、誰にとっても使いづらくなった意味不明の無目的空間だ。

あと、翻訳が…。はっきり言うぜ、翻訳、俺はあの訳嫌いだ。「殿」って、言わないべ。おいおい。

書きづらいな。しかし。人の心を傷つけてまで正直な感想を書く必要はないと思うんだが、あの中には何人かは真剣に演劇をやっている人もいるので、真剣に書いた方がよかろうとも思う。が、結局のところ、人から言われたことやダメ出しや感想や意見や、そんなもんで人間は成長しないってことが十年以上演劇をやってみてよーくわかったので、あんまりごちゃごちゃやいのやいの書くのはやめておくよ。

歯切れが悪い。