PLAYNOTE ベット・ミラー主演『ローズ』

2008年06月18日

ベット・ミラー主演『ローズ』

[映画・美術など] 2008/06/18 05:36

ジャニス・ジョプリンをモデルにしたらしい映画。2時間ちょい。

ここから書くことは映画評論でも何でもありません。

すごく評判のいい映画なのでみんな観るといいのだろうが、ジャニスではない。少なくとも、ジャニスではない。

まず、音楽がダサい。なんか音楽込みで評判いいんだけど、全然わからない。ブラスだかシンセだかわからんが、ピーヒャラジャカジャカやっていて、ジャニスの音楽にあるような殺ぎ落とされたタイトな印象が全くない。80年代ロックっぽい。公開は79年だけど。少なくとも、60年代の音ではないだろう。60年代の中でもジャニスは特に古臭い、渋い音だと思うのだが、この映画の曲はどれも70~80年代の音だなぁ。THE BEATLESとWINGSの違い、みたいな。

次に、ベット・ミラー演ずるローズが、やっぱりジャニスとは違う。いい役者だと思うし、渡されたシナリオを忠実に丁寧にかつ熱狂的にやったらこうなるんだろうけど、ジャニスではない。ジャニスのエネルギーは内向きである。ローズは、観客との交歓そのものを楽しんでいるように見える。ステージのジャニスは、客の熱狂を煽り、会場中のすべての人間とセックスするような自暴自棄の感がありつつも、ひりひりと孤独だった。そういう感じが、ないんだな。

わかっているんです。これはジャニスの映画ではなく、ローズの映画なのだと。なので、これはすべて与太話です。

としても、世間一般でいうロックのイメージってこんなもんなのかなぁ。セックス、ドラッグ、ロックンロール、そりゃ別に構わないし真実なのだけど、どれも快楽の波間に漂っていて、陸に打ち上げられた途端に失ったものに気づく、それくらいの描写にしか見えない。違うだろう。セックス、ドラッグ、ロックンロール、それで別に構わないが、本当は、その中に溺れ、死ぬような苦しみを味わいながら、その代償に一瞬の愉楽を感じる、そういうもんだと俺は思う。

この映画で一番納得いかなかったのが、ローズが単なるヤリマンにしか見えないところだ。男がないと生きていけないような孤独な女に見えるところだ。ジャニスはそうではないと感じるが、よく調べてみる必要があるなと思う。