PLAYNOTE 相手が何を考えているか

2008年04月26日

相手が何を考えているか

[演劇メモ] 2008/04/26 04:05

最近、稽古で「相手が何を考えているか」を考える、という方法をとったら、いろいろ面白かった。

演技の際に何を考えるべきかってのは割と難しい問題だと思う。よく「次に何が起こるか忘れろ」とか言うし、まぁ実際それは大事なんだけど、「忘れろ」っつったって忘れられるもんじゃない。

以前スタニスラフスキーの身体的行動の方法を研究したときは、相手、あるいは何か重要な物体に着目する、という方法論が書いてあった。人生を左右しかねるような大枚の金をかけたトランプ・ゲームのシーンを演じる際、うまくいかなかった二人の俳優に対し、スタニスラフスキーは「トランプそのものと、相手の表情にだけ注目しろ」と言った。と思う。昔のことだからよく覚えていないが、確かそうだ。で、そしたら上手くいった、という。

マイズナーの場合、何も考えず、論理的思考を投げ捨て、ただ相手にだけ注目する、相手から来る影響力を受けて増幅する、みたいな感じのことを何かもやもや言っていた気がする。俺のマイズナー経験値はレベル15の僧侶くらいなのであまりアテにしないで欲しい。ワークショップに十日ほど出て、本を数冊読んだだけだ。

で、今回の若草稽古で、俺が「演劇病」と呼んでいる症状(コテコテの誇張した演技をする)に対処するために苦肉の策として編み出したのが、自分の感情だとか、役が考えているであろうことだとか、は一切考えず、目の前の相手役が今何を考えているかをずっと考えていろ、というもの。

似たような発想で、以前DCPOPでは、ある男がある女を引き止めているシーンで、女は話を聞く気が失せたらいつでも席を立っていいし、男も説得が無理と感じたならすぐやめていい、というようなことを試したことがあった。当然、説得に緊張感が出る。

別のDCPOP現場では、とにかく相手が言った温度と正反対で応えろ、ということをやったことがあった。一見ナンセンスだが、面白かった。意味内容よりも、相手の発言に思考が奪われるから、うっとうしい考え過ぎ病が吹っ飛ぶ。

で、今回の「相手が何を考えているかを考える」は、その発展形であるように思う。考えてみれば我々人間は、人と会話をする際に相手がどう受け止めているかを考えている割合が非常に多い。自分の情熱や衝動に衝き動かされて喋り捲っているという状況は実は少ないし、そもそもその情熱や衝動も他者から来るものだ。他者の言動から来るものだ。

そして、これもスタニスラフスキーが言った演技の大原則、「感情を直接素手で捕まえようとしてはいけない」。「怒り!」とか「悲しみ!」とか、そんなもん直接手を延ばしたって手に入らない。むしろするする逃げていく。それらは誘発されるものなのだ。

相手が何を考えているか必死に考える、すると畢竟、台詞にも目にも仕草にも、そこに存在する人物としての必死さが滲み出てくる。最近の僕は随分と気が変わった。演劇における面白さは、俳優がそこにいること、Presence、現前性、それが半分以上を占めるのだろうと思っている。という意味では、衆目監視の舞台上というあり得ない状況の中で、ただ目の前にいる相手役の内心を探ることによって生まれる何がしかの必死さには、面白さがあると思う。

もう一つ、あんまり現代口語演劇にばかり染まりたくないので考えているのは、Presenceの対義語としての、俳優のExistenceという特質だろうと思っているのだが、これに関しては今日はもう書かない。明日は通しなのである。朝10時から夜10時までぶっ通し。ダブル演出だとこんなに大変だぜ。Yeah。是非観に来て下さい。とても時間がないのでメールの案内文をそのまま貼ります。うーん、時間が欲しい。

★☆ JMSミュージカル『Little Women ~若草物語~』 ☆★

2005年初演のブロードウェイ・ミュージカル『Little
Women』を初翻訳・本邦初上演致します。ミュージカル嫌いを公言する自分なので、ミュージカル臭くない、誰でも素直に観れるミュージカルを目指して鋭意稽古中。いくつか見どころをご紹介します。

見どころ1:歌がいい
ミュージカル通を唸らせるほど妙に曲がよく、かつ演者も音大出や歌手など実力派揃いなので、ミュージカルの醍醐味・歌に関しては自信があります。

見どころ2:ダブルキャスト演出
マーチ家の四人姉妹を総入れ替えでダブルキャスト・ダブル演出。「はちみつ組」「ダージリン組」の二つ。ちょっとお得なリピーター割引もご用意していますので、お時間のある方はぜひ両バージョンご覧下さい!
・はちみつ組…ミュージカルらしさ全開、派手で元気で勢いのある演出
・ダージリン組…ちょっと大人に落ち着いた、しっとり観れるミュージカル

見どころ3:ミュージカルくさくない演技
「突然歌う」と並んでミュージカルを敬遠してしまう、あの大袈裟でベタベタな演技を、今回片っ端から殺ぎ落としています。「役としてしっかりそこに存在すること」に重きを置きつつ、歌への飛躍が突飛にならぬよう様々工夫しております。是非ご覧になって審判を下して下さい。

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└■【翻訳・演出】

谷賢一(DULL-COLORED POP/柏市民劇場CoTiK)

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└■【日時】

5/1(木) 19:00~はちみつ
5/2(金) 19:00~ダージリン
5/3(土) 13:30~はちみつ/18:00~ダージリン
5/4(日) 13:30~ダージリン/18:00~はちみつ
5/5(月) 13:30~ダージリン/18:00~はちみつ
5/6(火) 13:00~はちみつ/17:00~ダージリン
(全10回)

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└■【会場】

アイピット目白
(JR山手線目白駅より徒歩10分)

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└■【チケット】

前売 3000円
当日 3500円

★リピーター割引あり
二回目以降は半券提示で500円引き致します。

※学割のない公演は個人的に許せないので、谷が勝手に学割やります。
大学生…500円引き
高校生以下…1000円引き
すでに予約してくれてる真樹子の分も割引させてもらいます。ふつうに予約してくれれば大丈夫です。終演後、谷がおもむろにキャッシュバックします。

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└■【ご予約】

メール: 日時、枚数を僕の携帯まで送って下さい。
nobeernolife あっとまーく wm.pdx.ne.jp
ウェブ: 下記URLから予約すると、そのまま谷扱いになります。こちらもどうぞ。
http://481engine.com/rsrv/webform.php?s=wdrjb4dx3xdkvoog
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コメント

投稿者:すさき (2008年04月26日 07:12)

私もちょうどそれをどうにかしたかったんよ~
ありがちょ~~~☆ね

投稿者:Kenichi Tani (2008年04月27日 00:59)

いきなりメール来たからびっくりしたよ。
頑張ってるみたいだね。
近況全然伝わってこないもんで、そのうちお茶でもしよう。

投稿者:すさき (2008年04月28日 07:09)

するする~☆