PLAYNOTE CoTiK『ロミオとジュリエット』上演終了

2008年02月18日

CoTiK『ロミオとジュリエット』上演終了

[公演活動] 2008/02/18 23:31
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カーテンコール

「柏で創り、柏で観る」をテーマに、八ヶ月に及び企画・オーディション・稽古とコマを進めてきた柏市民劇場CoTiKの第一回公演『ロミオとジュリエット』が昨日無事に終了。全4ステージ、総動員数849名。規模的にも内容的にも、柏の市民劇としては胸を張って「成功」と言っていい内容だったように思う。

あれこれ述懐していくよ。

大変だった

一人ではじめてここまで持って来た。えらい大変だった。

最終的には制作・川崎や助手・松本などの強力なサポートをもらい、かつ主演・ロミ助などの高いモチベーションが全体にとっていいカンフル剤となり、ずいぶん回しやすい現場になってはいた。人間の力っつーのはすごいものだ。

脚本について

人生初となるシェイクスピアの潤色。今となっては自分でもどこがシェイクスピアの原文でどこが自分の加筆部分だか覚えていないが、たぶん1/3くらいは全くの俺の独創。シェイクスピアの文体模写を、そこそこ上手くやれたように思う。

最大の失敗点は、長すぎたこと。演出的に十分テンポを詰められる、と思ったのだが、やはり初舞台やご高齢の方も多く、そう簡単にテンポアップはできなかった。あと半年稽古をしたらスピーディーに展開させて1時間40分くらいにできたかもしれないが、そうなるともう市民劇のレベルの努力ではない。

大きく変更した点。

  • ロレンスが殺される。
  • 薬の説明とかやらない。
  • エイブラハムとかピーターとかを整理して、白小姓・黒小姓とした。ロミジュリの大きな特質の一つである左右対称性に気を配り、人数比も調整した。
  • ー常に上舞台・下舞台が交互に進むようにシーンを配置し直した。 ーロザラインの存在を抹消し、バルサザーの恋の相手とすることでセルフパロディにした。
  • 冒頭を大きく変更。グローブ座のパクリ。
  • 一幕四場(マブの女王)、五幕一場・二場などはほぼ独創。乳母・神父まわりでも変更多し。

あんまり指摘されなくて残念だったのだが、シェイクスピアのセルフ・パロディを随所に入れておいた。ロザラインとエイブラハムの扱いもそうだし、ジュリエットの台詞には『ハムレット』および『マクベス』からの引用が挿入されている。市民劇でありながら、マニアにだけわかるネタを…という意図だったのだが、わかった人は少なかったようで残念。

演出について

今回一番不満なのはここ。個人的にほとんど新しい試みをしておらず、『マクベス』や『ベツレヘム』の焼き直しな演出方法だけで乗り切っている。

あんまり複雑で込み入った再解釈を加えるのは市民劇としてはNGだろう。普通に演じるだけで超・超・超大変だし、観る側だって普通に観るだけで大変だ。そういう意味で、やりやすさ・みやすさを考えてなるべくシンプルかつストレートに演出したつもりだったが、結果、演出的には過去の焼き直しが多く、自分としては不満であった。もちろん、ハナならCoTiKでは自分のエゴより公益性と見やすさ・演りやすさだよなぁと思っていたので、そういう意図は達成できたと思っているのだが。

博打を打たず、すでに効果のわかっている方法論を並べることで、市民劇であっても手堅く確実に点を取ることができた、そういう意味では正解なのだが、自分は元々博打打ちな性格なので、どうにももやもやする。

演技指導という意味では、最初の四角四面でガチガチ・ギチギチな状態から、ずいぶんリラックスして開いた状態に持ってこれたと思っている。筋のいい人が多かったのも助かったが、それでも初舞台で、しかもいきなり1ステージ300人とか観ている前であれがやれたのは、驚嘆する他ない。

美術について

横川さんが八面六臂の活躍を見せてくれて完成した。あと、小ホールの大きさおよび制約的に言えば、ギリギリ限界まで欲張った舞台機構だったと思う。奥行き2.5間しかないとこに二階屋のあるセット建て込んだんだから、十分だろう。

これもやはりロミジュリのシンメトリー構造を強調する意味でシンメなセットにしたのだが、あまり効果的ではなかったようだ。そろそろ美術家・鮫島あゆはお払い箱にした方がいいのだろう。

建て込み関係では、もはやもう横川嬢に頼りっぱなし。150cmちょっとという小柄なタッパでインパクトを振り回し、バシバシと舞台をキメて行く横川嬢はちょっとした見物であった。演出部としてついてくれた弘光さん、お手伝いで来てくれた小林くんその他諸々な方にも大感謝である。弘光さんは最初おっかなかったがいい人だった。

出演者について

今回、最大の見所はやっぱり出演者だったように思う。

実にいい声とどしりとした存在感のあるロミオ。心配だったライトな前半部も無事乗り越え、後半では持ち味の悲劇役者としての演技を十二分に披露。女子高生ジュリエットによるバルコニーのシーンは、ロミジュリとは思えないほどポップ、距離が近い・どこにでもいる恋愛模様になっており、実によかった。奴の度胸と打たれ強さはなかなかたいしたものである。陽気でハッピーな雰囲気のあるロレンスは、人生のしわがそのまま演技に乗るようであり、いぶし銀ないい存在感を披露。また、乳母がよかった。家で何度も泣きながら台詞を覚えた、という話を大入りでしていたが、その努力も実り、あのユーモラスで愛すべき感動屋の乳母ができあがったのだと思う。

なるべくその人の持ち味・魅力を損なわないよう演出をつけたつもりだったが、正解だったと思う。

照明について

やはり松本大介は間違えない。しかしあれほどの悪条件の中、しかもほとんど打ち合わせらしい打ち合わせもないまま、よくやれたなぁ。

音響について

たいていDCPOPでは選曲はすべて自分でやっているのだが、今回はふな蔵さまに大変助けられた。なるほど、ホールで、市民劇でやるからには、こういうアプローチもありなのだな、と。前半と後半できっちり空気感を分けられたのは、照明・音響あってのこと。グッジョブ。

衣裳について

まさかあれほどの衣裳ができるとは。あれだけでチケ代の半分くらい払ってもいいんじゃないかと。プラス、人柄が最高である。真摯に演出意図を汲もうとするスタンスに加えて、自分が大変なのに常に他に気を回す余裕と愛を持っており、彼女のおかげでこの公演は1.5倍増しでいい公演になったと思う。今後も末永くお付き合いしたいスタッフさんと、柏で出会えるとは。そして、彼女は衣裳家として今後大きくなると思う。是非結婚しないで欲しい。寿退職とかされたらあんまり素直に喜べない(笑)。

その他

「アートでつなぐまちづくり」

っちゅーお題目でやっている助成金・プラットフォーム事業(柏市)の採択団体だったわけだが、それを実によく体現できたと思っている。打ち上げでは皆が皆号泣しており、離れたくない、明日稽古がないとか信じられない、と、逆に俺が驚くほどの連帯感・結束感。こちらまで思わずもらい泣きしそうになりつつ。

今じゃ当然になってしまったが、自分の親以外で世代の違う人間と話す機会ってそもそもほとんどないでしょう。そういう人たちと一緒にモノ作りをする、実に楽しかった。

大入りで誰かが
「家族みたいだった」
と言ったのを聞き、
「馬鹿馬鹿、大げさなことを言いやがって」
と思ったが、今思えば本当にそうである。一期一会。

その他・その2

まだまだ残務処理がたくさんあるので、あんまりおセンチな気分にも浸っていられない…。

感想など

一部分だけですが。

http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_id=6217
http://blog.goo.ne.jp/nayuta-gp01fb/e/2c27225d9eed8eee9ce6148569177e1d
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=716658937&owner_id=605833
http://sunnyside-farm.seesaa.net/article/84158681.html
http://sunnyside-farm.seesaa.net/article/84274128.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=718598973&owner_id=5225220

コメント

投稿者:ハマカワ (2008年02月24日 01:04)

おつかれさまでした。
ほんとに観たかったのですが、こちらも完本すらしていない状態でとてもではないけど行けませんでした・・・

第2回は、必ず観ます

投稿者:Kenichi Tani (2008年02月25日 13:32)

こちらこそ行かれんですまん。行けないどころか三日家に帰れなかった。58号戦線が外小屋に出た暁にはお邪魔致しますんで頑張ってやー。