PLAYNOTE ハイバイ『兄弟舟』

2007年08月04日

ハイバイ『兄弟舟』

[演劇レビュー] 2007/08/04 23:59

岩井さんの関与作品を見るのはまだ三本目なので、まだまだ岩井ビギナーなんだけど、もうこれからハイバイのファンを名乗りたい。公演も必ず観に行こう。ハイバイのプレビュー公演『兄弟舟』、アトリエヘリコプターにて。

平台か何かで5寸くらい上げただけの舞台。上に椅子が四脚でスタート。ハイバイがよく使う、フレームだけのドア(┌ ←こんなの)がまた使われていた。

岩井秀人氏の脚本は現代版不条理劇だなぁ。何の説明もなく常識から脱線し、日常の枠を破壊しちゃうんだけど、芝居自体は日常のフレームの中に収まっている。変な感覚。

なぜか常に酔っ払っている、という設定さえも、一言「この子いつも酔っ払ってて」と台詞で紹介されるだけ。何で? どうして? 一切説明なし。今回の中心的な話題、ヤクザのふりをしている人々も、何でそんなことしてるのか、一切説明なし。セックスしたら発疹出て死んじゃう奴。何の病気だ。一切説明なし。生まれて来た赤ん坊が巨大で、いきなりハイハイして男の乳首を吸う。一切説明なし。

これほど笑えてこれほどグロテスクで、何ていいセンスをしているんだろう。物語の破綻の影に、岩井氏の顔がちらほら見えて薄気味悪い。一体彼はどういう目線で日常を見ているんだろう。面白かった。