PLAYNOTE ブラジル『天国』

2007年07月21日

ブラジル『天国』

[演劇レビュー] 2007/07/21 00:16

こないだご一緒したこいちゃんことこいけけいこ(平仮名ばかりになるな)が出演していたり、最近仲良くなった池田くんが制作やってたり、そもそもブラジリィー・アン・山田さんの作風が好きだったりするので観に行った。あ、自分でも半分忘れてたが、辰巳さんと共演したこともあったのだった。中野ザ・ポケットにて。

もう、安定感。何だろう、この安定感。辰巳さんがいるから(いろんな意味で)、とかだけじゃない。もう、安全パイ。ブラジルでつまんねーわけねーだろう、みたいな、変な安心感がある序盤だった。

最序盤は、ぶっちゃけあんまり爆笑ってわけでもないギャグが多かったんだけど、「これ絶対面白いと思うよ、俺は!」みたいな自信が透けて見えて全然不安にならない。むしろ頼もしい。そして待っているときちんとタイムリーヒット打ってくれる。ボール球に手を出そうがバント失敗しようが、もう全然気にならない。これがポケット進出の魔力なのか。

こいちゃんが何かすごい色々やらされてて、それとも自発的にあれこれやってたのか、とにかく面白かった。おかげで性格的に破綻してた感はあるし、ラストの暴露がとってつけたようにも見えたのは残念。演技的に問題があると言うより、ちょっと設定が難し過ぎる気が。ラストの暴露まではいい意味でいつも通りの柔軟さがあって、ブラジルにいつつも飲まれてない感じのいいコラボレーションだなぁと思っていただけに残念。スーツで坊主だったあの人、いつも最高の存在感と不気味さで、今回もいい活躍。辰巳さんも相変わらず良い。

全体を通して演技的にも演出的にも「いつものブラジル」な感があるのは、良くも悪くもと言ったところかしら。俺は期待通りのテイストで大変満足だったけれど、次辺り冒険して欲しいとは思う。

あとは、期間工というどんづまりな人々を描く作品だった割に、本当の意味でどうしようもない奴がいなかったのはやや残念。バイトでそういうとこ行ったり見たりすると目撃する、本当にどうしようもない、そこに立ち尽くしたままぼろぼろと肉が崩れて腐って匂う、みたいな、本当にどうしようもない奴は一人もいなかったな。みんな素敵にダメ人間だったので、ダメ人間を本当にダメに描いたら…、見せ物ではなくなってしまうし、ブラジルの作風ではないのかな。でも面白い設定だっただけに、そういうグロテスクさもちょっと見てみたかった。