PLAYNOTE David Auburn "Proof"

2007年06月26日

David Auburn "Proof"

[読書] 2007/06/26 02:35

久々の英語読書。やばい電子辞書が手元にない、と思ったが、意外とノー辞書で読めた。まだそれくらいの英語力はあんのかな。ってことはどんどんペーパーバックとか読めるんだな。

David Auburnはアメリカはシカゴ生まれの劇作家。ジュリアード音楽院の劇作コースで学んだ後、オフ・ブロードウェイでスタートし、2000年にこの作品でトニー賞とピューリッツァー賞をとりやがった新進気鋭のシカゴ野郎。あとはよく知らん。この Proof は、日本でも『Proof/証明』としてひょうご舞台芸術とかで上演されてるぽい(参考: 現代演劇上演記録 検索結果一覧

ちょっと細かく感想を書けない事情があるので、ざっくり所感のみ書いておく。

巧妙で驚く。読みやすいの何の。次々ページ繰りたくなる。思うにあれだ、どういうバックグラウンド/読書歴の人かはよくわからんが、娯楽小説とかウェルメイドプレイとかの素質を持った人であると思う。

かと言って薄っぺらでない。あぁもう無理なのね、無理なのね人間同士がわかりあうなんて、みたいな気になる。まぁさらっと読めちゃうは読めちゃうんだが、人間が人間を裏切るということ、要らぬ親切ありがた迷惑余計なお世話、セックスは簡単だけどコミュニケーションは難しい、とか思う。すごく巧みに書いている人だけど、深い失望を味わった人なんじゃないかなぁという印象。全く知らんが。

演劇的には、まぁウェルメイドのストレートプレイ、そう形容しちゃって問題ない気がする。俺は不勉強だからアメリカ戯曲はあんまり読んでないのだが、例えばT・ウィリアムズだとかオールビーだとかオニールだとかって結構象徴劇だの不条理劇だのの要素を混ぜ込みつつアメリカを描いてるって印象だが、ことこの作品に関しては、冒頭のアレを含めて心理主義的リアリズムで料理するのが一番いいんじゃないかしら。さらっと一読しただけで論評するなよ、って、思うけど。

だがきっと重要なのはスピードなのだろうと思う。展開の適切な緊密さと活き活きとした会話。テンポと間をどれだけ的確に演出できるか。あ、いや、別にそこはコントロールという意味で「演出」せんでも、役者間の相互反応がきちんとできてれば十分な説得力が生じると思うんだが、それができないと気だるい芝居になるだろうな。つまり、会話自体が宝石なのだが、その分他は簡素で素朴、役者が逃げ隠れできん戯曲。

あとこれはいろんな意味で「若さ」の芝居であると思う。以上。

コメント

投稿者:しのぶ (2007年06月26日 23:56)

ひょうご舞台芸術版、観ましたよ。数学教授(内田稔)とその娘2人(姉:秋山菜津子、妹:寺島しのぶ)、教授の弟子(田中実)の4人芝居。すごい豪華キャストだったんだなー(笑)。
当時のレビューを読むと、2001年ピュリッツァ賞&トニー賞を受賞する前に、企画が始まって上演にこぎつけています。ひょうご舞台芸術の公式ホームページが出来て欲しい。もう無理なのかな。

投稿者:Kenichi Tani (2007年06月27日 02:16)

しのぶが観ていたことくらいリサーチ済みさ。俺もうっすら覚えていた。あの頃はひょうご舞台芸術の公演がある度にしのぶから薦められとったし。
サイトないのはいけないよね。アーカイブとして貴重な資料になるだろうに。

投稿者:しのぶ (2007年06月28日 12:09)

あはは、そうだったか。ひょうごはプロデューサーさんが辞めてしまい(違う劇場へ行っちゃった)、芸術監督も辞めた(?)らしくって、もうどうなるのやら。悲しい。こんなに愛してるのに。世の中、片思いだらけだね。
ワークショップのレポート、めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとう。