PLAYNOTE 水族館劇場『FLOWERS OF ROMANCE -花綵の島嶼へ-』

2007年06月19日

水族館劇場『FLOWERS OF ROMANCE -花綵の島嶼へ-』

[演劇レビュー] 2007/06/19 20:57

畏敬する吉田ミサイル氏が出演しておったので観に行った。かねがね噂だけは聞く水族館劇場。会場行ってみたら寺の境内にイントレで三階建てくらいの特設ステージが組んであり、あちこちを昭和・戦後の焼け野原にいそうな薄汚い人が徘徊している。何だこの異質な空気。超面白い、わくわくした。

とにかく観てえらいスッキリしたのを覚えている。特設ステージの床下は、そのまま池。池の上に床がある。俺はその最前列に座って見ていたのだが、その床が急にセンターから真っ二つに割れ、左右に引いたかと思うと、中央に出現した池から噴水が飛び出しストロボが炊かれる。幻想的というか、腕掴まれて幻想世界に無理矢理引っ張られていったような感。水が滝のように天井からステージ中に降って来たこともあった。水中から人が登場するのは当然。とんでもないものを観た。

他にもスペクタクル的な要素がえらいたくさんあって、そこばかり印象に残っている。それはすごく残念だし、ちょっと失礼な見方でもあることもわかっている。が、劇自体が過去のアングラ芝居や大衆演劇・演芸を髣髴とさせるようなテイストで、その台詞に漂うリリシズムは自分には届かなかった。かなり注意を払って一言一句を聞いていたのだが、その意味するところがわからないのはまぁいいとして、台詞に酔えない。わからない。その「わからなさ」が逆に心地よかったりはするんだが(現代はとかくイージーなものばかりだ)

幕間でいきなり紙芝居屋が現れて水飴を100円で売って紙芝居始めたり、カッパくんという謎のキャラクターが突然風船を飲み込んだり十本束ねたローソクの火を口ん中で消したりという演芸を始めたり、かなりカオスであった。そしてそれが超楽しい! ビールをごくごく飲み、謎の温泉卵的なものをぱくぱく食べながら(三つくらい買っちゃった)、芝居の開幕を待つ。あぁ、こういう土壌、雰囲気、なぜなくしてしまったんだろう。都市に祝祭は要らないって、マジですか?

吉田ミサイル氏はずっと畏敬してはいるんだが、今回改めて畏敬のうち畏怖の方が強くなるような大立ち回り・気違い沙汰で、平素のあの粛々としたいい人感はどこ吹く風。霊魂が四肢隅々に満ちているのがわかる。もう、声量がどうのとか舌絶がどうのとか、役の感情が云々とか言っておるその辺のこわっぱ俳優志望どもとは役者が違う。齢三十にしてあの大物感は何だろう。天晴れであった。

アングラと言っていいのかどうか、それすらもわからないが、アングラ役者が放つ気迫・鬼気にはちょっと理解を越えたところがある。肉体が叫び、喜びに打ち震えているのが見える。ああいうの観ちゃうと、ちょっとやそっとの演技では、感動できなくなっちゃうな。

良い芝居でした。