PLAYNOTE アニリール・セルカン『タイムマシン』

2007年05月07日

アニリール・セルカン『タイムマシン』

[読書] 2007/05/07 22:48

先の時間堂公演『ピンポン、のような』終幕間際、編集者ハトヤマと小説家チヅルの会話中に登場した一冊。大量のコピー束と一緒に、ビニール袋に入れてハトヤマからチヅルに手渡されました。

そして、そのビニール袋は、バラシ中に僕へと渡ってきました。ビニール袋の中身、使っていたコピー束が谷の私物(イギリス留学中や明大在学中の文献コピーの山)だったので、そのまま紛れて一緒に俺の元に。一瞬「しまった!」と思ったけれど、楽しんで読ませてもらいました。ありがとう、ごめんなさい、世莉さん。

スイスのエリート小中一貫高にて、退学処分を食らった少年たち13人。国籍も人種も違う彼ら、一度は離れ離れ、散り散りになるものの、「タイムマシンを作る」という、大それた、だが本気な夢に引き寄せられて再会し、幾多の苦難を乗り越えてタイムマシン公開実験へとこぎつける…、というようなストーリー。

このアニリール・セルカンという人、ドイツ系のトルコ人なんだけど、とんでもなく多才な人で、物理学やら建築学やらで世界的な研究を行っている上、語学に堪能(八カ国語に加え、三つの古代語を解す)、さらに元トルコのスキーオリンピック代表候補、しかも今はトルコ人初の宇宙飛行士候補生なんだそうで。いるんだな、こういう人。この本も日本語で書いたらしい。

さて、中身ですが。
好きです、こういう本。ところどころに児童文学チックでポップなイラストが入っており、装丁もオシャレ。楽しく読める。とても純粋。そう、純粋なのです。「自分の頭で考えてみること」「決断すること」「勇気」「信頼」「仲間」、読後感としてそういう言葉がぽんぽん出てくるような、爽やかだが気骨のある一冊。現実を飲み込むのは大層しんどいことだけれど、拒否して自分で道を探すことは、それよりもっと難しい。

お話としてはちょっと退屈だったけれど、清涼な湧き水を飲んだような、ぽかぽか日の照る草原でピクニック・サンドイッチを食べたような、そういう気分。

これがどうやら筆者本人の実体験に基づいているそうだというから驚き。大人になってもきちんと夢を見れるということ、ただ夢見るだけでなく、それをきちんと現実に近づけていくことをしているという意味で、セルカンという人は、天才には違いないのだろうけれど、何だかほのぼのとした好印象を抱かせる人だなあと思いました。著者近影の写真がキメキメで笑える。

コメント

投稿者:くろさわせり (2007年05月08日 00:41)

あ、あーたのとこにあったのね、よかったわ。
さがしちゃったよ。

投稿者:Kenichi Tani (2007年05月08日 13:28)

すいません、一昨日くらいに発見しました。
今度持って行きますね。

投稿者:booboo (2009年06月02日 16:13)

失礼します。

セルカンは「ドイツ系のトルコ人」
ではなく「ドイツ生まれのトルコ人」です。
ドイツ系のと言うのは先祖がドイツ人です。

投稿者:アニリール・セルカン経歴詐称疑惑 (2009年09月29日 17:44)

アニリール・セルカン経歴詐称疑惑まとめサイト
http://www29.atwiki.jp/serkan_anilir/

【アニリール・セルカン氏についてのまとめ(主な結論)】

・アニリール・セルカン氏は「宇宙物理学者」であり11次元宇宙の研究で受賞したことになっていますが、氏を著者とする物理学に関する論文は一編も発表されていません。

・東京大学、およびJAXAのホームページ等で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた物理学の論文は、現実には存在しない架空のものです。

・東京大学で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた知的財産権2件については、一件は他人の特許であり、もう一件は存在しない特許です。

・「ケンブリッジ大学物理学部 特別科学賞 受賞」については記録もありませんし、そもそもセルカン氏は物理学の研究業績が皆無なので、物理学の研究によって(まともな)賞を授与されることはあり得ません。

・同様に、「America Medal of Honor(アメリカ名誉賞)」、U.S.Technology Award受賞の記録もありません。

・「プリンストン大学数学部講師」に就任したという記録もありません。またセルカン氏は数学分野の研究業績が皆無なので、数学部講師に就任するというこはまずあり得ません。

・セルカン氏は「宇宙飛行士候補」と言うことになっていますが、NASAの宇宙飛行士候補のリストにも、宇宙飛行士のリストにも掲載されていません。