PLAYNOTE 渋澤龍彦『女のエピソード』

2007年04月10日

渋澤龍彦『女のエピソード』

[読書] 2007/04/10 05:30

古今東西の歴史や文献に、その名と共にその鮮烈な生き様を刻み込んだ十数名の女たち。そのエピソードを読みやすい短編エッセイにまとめたもの。著者はマルキ・ド・サドの翻訳で有名な、あの渋澤龍彦。さぁ興味が湧きますね、血が沸きますね。ビレバンにて購入。

内容(「BOOK」データベースより)

時代・風俗は変われども、女の人生は本質的に変わらない―。マリー・アントワネットやジャンヌ・ダルクなど史上名高い女性たち、サロメやヴィーナスなど神話・宗教上有名な女性たちのさまざまなエピソードをとりあげながら、古今東西の女の生き方をデッサンふうに描く、渋沢龍彦の魅力あふれる女性論。ベストセラー『世界悪女物語』を補完するエッセー集。

いやぁ、面白かったです。さすがは澁澤先生、文章の密度と読みやすさのバランスが素晴らしい。一人一人がせいぜい雑誌の一記事くらいの分量にまとめられていることもあって、とても読みやすい上に、文章的密度も高く、しかも題材が面白い。

苛烈な生き方をした女たち、と考えて名前が浮かんでくる、マリー・アントワネット、ジャンヌ・ダルク、シャルロット・コルデー、アグリッピーナ、サロメなどはしっかり抑えつつ。ちょっと初耳な感じのワンダ・リューメン、ローラ・モンテス、ド・ブランヴィリエ侯爵夫人などが興味をそそった。それぞれ、マゾヒズムの元祖である男とつきあった女、美貌を武器に王の寵愛を得た19世紀の女、毒薬で家族を毒殺しまくった女、など、割ととんでもないのだが、そのどの生き様にも、これは読者である自分の偏見なのかどうなのか、女らしさ、女の性、女の業、そういったものを感じてしまい、知的好奇心そそられっぱなしの数時間であった。

これは芝居のネタ本としてもすごく使えそうだ(笑)。戯曲化したい奴がごろごろいる。安いし、いい本でした。