PLAYNOTE 金原ひとみ『アッシュベイビー』

2007年03月25日

金原ひとみ『アッシュベイビー』

2007/03/25 02:08

金原ひとみの『蛇にピアス』は好きだったんですよ。ええ。あの、誰が理解・共感できるんだよそれ、っていうギリギリのラインを、物怖じせず書き切った感じ、理解・共感できちゃった気にさせちゃう感じとか、現代口語のくせに妙な色気や調子の良さを感じたりして。もう読んだの三年前とかだけど、好きだったんですよ。

『アッシュベイビー』、ブックオフで安かったから買ってみたが、ちょっと期待ハズレでした。

前半は非常に面白かった。だくだくと濁流のように流れ続ける二十代女子の他愛もない一人語り。淡白に・割り切って性も金も友人関係も考えないと苦しくって本当に死にたい気持ちになっちゃうような、そういう、生きるのが致命的に下手なくせに、可愛げもなく、つっぱって生きてる馬鹿な二十代女(いっぱいいますね)、の、一人語りがだくだくと。そういう芝居書きたいなぁと思ってたから大変参考になったし、純粋に読み物として面白かった。

後半がダルかった印象。プロットはあってなきがごとく、次のページで何が起きても問題ないほど破天荒な展開を辿るし、心情描写を前述のだくだく一人語りに委ね切っちゃっているおかげで単調だしすごくベタベタする。そのベタベタ感が稀に肉感的な情欲なんかと重なっていい感じなときもあるんだけど、ずっとベタベタしていて食傷気味。

ホクトのエピソードとか自分には本当に「添えてみました」って感じがしてしまい、今一つピンと来ず。むしろあの手の綺麗な男との関係を、角度を変えたり別の出来事を通したりしながら描いてくれた方が自分には興味が持てたな。「好きです」を言い続けてしまうとことかは、結構ぐっと来たりしたので。

何だか三作目が面白いそうなので、またブックオフで探してみます。