PLAYNOTE 東京都美術館『オルセー美術館展』

2007年03月25日

東京都美術館『オルセー美術館展』

[映画・美術など] 2007/03/25 01:34

前々から行きたい行きたい、と思っていたオルセー美術館展。フランス・パリであちこち美術館観た中でも、オルセーは雰囲気といいラインナップといい大変気に入っていたので、是非是非行きたいと思っていた。

結果、期待を裏切らないもんが観れて大変満足。身の回りに安っぽい複製品やマスプロダクツ、ディスプレイ上の美しかない中で、本物を見るとやはりぐっとくる、霊感を吹き込まれるような感覚、それがある。行ってよかったー。

よかったなぁ、と思うもの。

ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラーの『灰色と黒のアレンジメント』。構図が素敵過ぎる。しなびたおばあちゃんをモチーフに、こんなに美しい線と色の世界をアレンジメントしちゃうセンスにしびれた。あとでかくて良い。

オディロン・ルドン『ペイルルバードの道』。これは筆舌に尽くし難かった。幼い頃や、あるいは今でもたまに、自分でも驚いてしまうような悪夢的な風景が目に飛び込んでくることってあるでしょう。風景・光景自体は至って普通、自然なのだけれど、色合いや構図、草木の間から漂ってくる雰囲気が、おかしい。そういう、指で触れられない、口で言い表せない、つかみどころのない雰囲気や印象を、絵画であんなにソリッドに表現することができるなんて。あの絵欲しい。下さい。

フィンセント・ファン・ゴッホ『アルルのゴッホの寝室』。大人になってからゴッホあんまり好きじゃないんだけど、中学生の頃やたら好きだった絵の実物が見れたのでそれなりに感動。

エドゥアール・マネ『すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ』。有名な絵だけど、実際に目の前にしてみて、その黒の色の深さというか、色気? 何て言うんだ、その、美しさに打たれた。顔や表情ほとんど見てない。あの色だけで感動してしまった。良い。

ギュスターブ・モロー『ガラテア』。単に、モロー来てるとは思わなかったのでびっくり感動。やっぱりセンスいいなぁ。あと、あのストリンドベリの絵が来てた。ストリンドベリの絵は初めて見たかも。

ウジューヌ・カリエール『夜のクリシー広場』。絵の全体的な印象を文字に起こすと、茫漠として曖昧模糊として、例えば複写したり印刷複製したりするとぼんやりして何も伝わらないだけなんだけど、実物見るとすごい。あんなにもやもやした絵なのに、大都会の夜が醸す雰囲気や湿度まで伝えてくる気がする。ルドンの絵と並んで改めて絵画表現の奥深さに驚嘆した一枚。

あとはジョルジュ・ラコンブの『ベッドの木枠』も良かったなぁ。あの表現衝動、ちょっとすごい。あと絵の配置や完成図想像すると、死と性交を対に見せるシニカルな所とか好きだった。

* * *

「いい絵を見たよー★」ってことを文字で伝えようとする極めて無駄なエントリーだったけれど、実によかった。ポンピドゥーの方も行ってみるかなぁ。あ、オルセーは美術鑑賞の初心者さんから中堅さんまで手広くオススメできるかなりナイスな展覧会でした。マネ、モネ、ゴッホ、セザンヌ、ゴーガン辺りの有名どこも見れるし、展示点数は140点とそこそこ多めだし、チョイスはなかなか渋いと個人的には思います。派手さはないが。ピサロやシスレー、スーラまであったから、印象派の頃の雰囲気を知るにも○かな。