PLAYNOTE 著作権保護期間延長議論 - 松本零士に一つも共感できない

2006年12月14日

著作権保護期間延長議論 - 松本零士に一つも共感できない

[トピックス] 2006/12/14 06:14

「欧米に倣って」著作権法による保護期間を現状の50年から70年にしよう、という議論。かなり面白い。保護期間延長はクリエーターの創作意欲を高めるのか、それとも文化の発展を阻害するのか?

最近だと昔の本が青空文庫でタダで手に入ったり、著作権の切れた洋画が格安でリリースされてたり、著作権が切れる→文化にアクセスしやすくなる、という構図が割と見えやすくなっている。こういう流れは止めてはならないと思うし、著作権法を遺族年金のように考えるのはやはり間違いなのではないか。

ところで同議論の中で松本零士が言っていることに一つも共感できない。

一番腹が立ったのがこれ。
「なぜ著作権法で遺族の生活保障までしなくてはならないのか分からない」「作家の遺族は著作権法で保護されるが、そば屋・うどん屋の遺族を守ってくれる『そば屋法』や『うどん屋法』はない」という司会の中村氏の疑問に対し、

「そばやうどんと一緒にしてもらっては困る。作家の作品は残るが、そばやうどんは私にも作れる」

提案なんだが、もうこいつは文化人と呼ばなくていい。

「私にも作れる」という、他人の職業に対する想像力のない言葉に憤慨する。
と同時に、「何故作家だけ特別扱い?」という質問者の意図を全く理解せず、「作家は特別!」という傲慢な開き直り。うどんやそばをあーだこーだ言うてるんじゃなくて、単に例として出してるってことは理解しろよ。作家だろお前。

松本零士さんも「作家は『できるだけ長く世に伝えられるものを書きたい』と思っている。作家の多くは、金のためではなく、できるだけ多くの人に作品を伝え、共感してほしいと思っている」とし、20年の延長が長く残る作品を作ろうという意欲につながると語る。

「金のためではなく、より多くの人に…」ときたら末尾は「50年でええよ」になるのが正しい日本語接続詞の使い方な気がするんだが。

二次創作の議論について。

この意見に対して零士さんは、古典の名作の2次利用と、近現代の作品の2次利用は異なると指摘する。「古典と現代を混ぜてはいけない。近現代にあるものを改変したりパロディー化することは作品への侮辱。先人に学ぶというのは事実だが、学んだだけの敬意を払うべき」(零士さん)

パロディーすなわち侮辱、と断じなくてもいいのではないか。大筋では同意するのだが、創作というものを考える場合、パロディーやオマージュや二次創作の類がどれだけ文化の発展に寄与してきたことか。それ抜きでは語れないところがある。(議論の中ではシェイクスピアが種本を利用していたことにも触れられている)

ある作家は「誰に一番影響を受けましたか?」という質問に、「誰から一番多くパクったってことかな?」とジョークで返していたが、いやいやホントに、創作にはそういう側面もあるのだし、あら探しをするように作品を調べられたら多くの作家やクリエーターが冷や汗を流すことになるだろう。あんまり締め付けキツくすると何も作れないよ。

松本零士に対して腹が立ったので立てたエントリーだが、元の議論が大変面白いので是非読んで。自分も感想をいろいろ書いたが、あんまり簡単に判断できない難しい問題だと思う。あ、そうそう、パネリストん中に何故にか平田オリザがいる。

コメント

投稿者:Fountain (2006年12月25日 01:46)

松本零士が何か記憶にひっかかっていたのでちょっと調べてみたら、以前こんなものを読んでいたことを思い出した↓
homepage2.nifty.com/kaguraclub/2006-10-20.html

閑話休題。
個人的には50年70年というか、そもそも死んでから起算されるあたりから見直したほうがいいのかなとか。
作者の寿命という作品に関係のないところで作品の命運が決まるというのも…それこそチェーホフみたいに早死にして感謝されるというのも本人としたら面白くない話じゃなかろうか(爆)。映画みたいな集団製作のものは公開後○○年だし。
世界的に死亡起算みたいなので、難しいだろうけど…。

あと欧米に合わせる云々の一方で、アジア諸国まわりとかで著作権への認識と法律がゆるいのも是正していく必要があるんじゃ。
いろいろと興味深いトークでした。

投稿者:TOMOZO (2009年05月21日 23:06)

松本氏は遺族の生活保障のためと言うが、死後70年である以上、配偶者を指すのではないはずだ。
孫の世代まで延々受け継がれるように、ということだろう。
こうゆうのを遺族と表現していいのかしらん。
ただの子孫だが。
死後70年経った人にぶらさがって生きないで、ちゃんと自立すりゃいいじゃん、とは言い過ぎか。

盗作騒動のときにも思ったが・・・
松本零士、宇宙とか夢とか言う割には、
人間小せぇ!!!
ビックリ