PLAYNOTE SEIREN『ジキルとハイド』

2006年11月18日

SEIREN『ジキルとハイド』

[演劇レビュー] 2006/11/18 07:00

芝居仲間である佐藤弘樹が出演しておったため、SEIRENの『ジキルとハイド』を観て来た。SEIRENとは早稲田が母体のミュージカルサークルと聞いているが、活動の幅と所属メンバーの層が広すぎてよく実態がわからない、何だかすごい団体である。驚いたことに彩の国さいたま芸術劇場小ホールにて。

SEIRENは松村光とか岡本さやかとか友人が多く関与しておるので前々から観たい観たいと思っておったのだが、運命が共振せず見逃してばかりいた。なので今回初。会場に度肝を抜かれたが、内容も大したものだった。これをサークルレベルで実現したというのは、ちょっと驚く。あくまでも賛辞としての驚愕であり、他意はない。

数十名の出演者を見事に統制した演出は見事。自分はミュージカルは全くの門外漢で、記録映像を数点とロンドンで『CHICAGO』を観たくらいだから何もわからないのだが、群集のシーンではダイナミックな迫力を、独唱のシーンでは繊細な感情表現を実現しており、全くよくできたものだった。

役者のレベルに差が大きいのは、大所帯であるがゆえ仕方のないところ。TVやビデオで簡単に世界最高レベルの名優たちの演技や歌が観れてしまう現代は、昔より余計に不利な戦いになる。それもスタート呼べるような器の役者が複数名出演していたことで、ちょっとしたガックリ感は十分以上に挽回されていたからすごい。少なくともメインキャスト級の役者は、アマチュアとしてはかなり高いレベルにいたことが素人目にもはっきりとわかった。

中でも主演の山田宗一郎氏。歌も演技力も申し分ない。最初、別の役者が演じているのでは、と思わせるほどキャラクターを作り分けており、パッションだけでなく技術も持ったいい役者だな。

佐藤弘樹はやはり大きな舞台が似合う男だ。長身痩躯、そしてソフトマッチョな立ち姿は、タッパのある小屋で観ると様になる。演技的に自然体を装い過ぎていてちょっと物足りない印象を受けるのは今回が初めてではないから、一度気が触れるくらい情熱的で突き抜けた役をやると役者として幅が出るのではないかしら。どことなく台詞が用意されたものであるような印象を拭い去れない。

自分がミュージカルという表現様式に親しみがないせいだろうが、歌われてもあまり感情が伝わらないのには参った。なので普通に芝居してるシーンの方が遥かに面白かったな。

しかしこれだけの規模の公演を抜かりなく上演する体力はすごい。どうやったのかとても気になる。これでチケット1500円は安いなぁ。

コメント

投稿者:あやか (2007年04月08日 12:49)

はじめまして★+'゜

2006.11.18のところに書いてある佐藤弘樹さんという方は,明治大学の方ですか?

投稿者:Kenichi Tani (2007年04月09日 02:02)

そうですよ。