2006年11月17日
デビッド・フィンチャー監督『ファイト・クラブ』
先週から今週にかけてTSUTAYA半額キャンペーンがやってましたね。僕はCDを31枚とDVDを9枚借りました。半額でも七千円以上かかった…。
『ファイト・クラブ』は高校生んとき映画館で見てかなり好きだった覚えがあったので、まぁ脳の箸休めのつもりで借りたのだが、意外にもこの歳でエキサイトしてしまい、随分楽しんでしまった。サイケデリック・ロックとパンクを足して二で割って、そいつを映画にしたような作品だな!
作中で主人公が傾倒していく、肉体の痛みと物質社会との絶縁を通して「生の実感」を得る…という発想は、決して子供じみた馬鹿げたものではない。誰しも都会に疲れると田舎に帰って川の音を聴いたり、キャンプで汗水たらしてカレー作ったり、あるいはセックスや運動によってリフレッシュをするもの。過激ではあるが、タイラー・ダーデンが体現していたものは人間の原初的な欲求の転化である。
精神医学的に見たら随分破綻してる点も多いのだろうが、それは一昔前に流行った空想科学読本の「ウルトラマンは自分の体重で自滅する」とか「ゴジラは火炎放射で自分も燃え尽きる」とかいう言説を、一種の知的なジョークとしてではなく真面目な揚げ足取りとして口角泡を飛ばしながらわめきちらす困ったちゃんのやること。フィクションのエンターテイメントなんだから、そういう破綻を見過ごしてやるのも大事な鑑賞力だ。自分も時々それができなくて悔しい思いをするが、やめたい。
(しかし不眠症から幻覚妄想に続き二重人格へ…という流れはそれなりに理が通っている。大抵の精神病は不眠から始まり、安眠を得ると快方に向かう。二重人格の場合では多くの場合幼少期の大きなトラウマが成立要因らしいから、ちょっと飛躍してるんだろううけど、それくらいがファンタジーとしてはちょうどいいんじゃないかしら)
映像のセンスがいい。スピード感があり、とても都会的。言わば「街を捨てよう、ファック・マテリアル・ワールド!」な映画が都会的というのも皮肉なものだが。サブリミナルをうまく使っている点も、単なる暗示というよりは精神疾患に派生する妄想の映像化と考えると面白い。だからもっとサイケデリックでシュールな映像に向かっていたらよかったんじゃないかしら、とさえ思う。
ブラピはカッコいい。間違いない。
エドワード・ノートンは素晴らしい俳優だ。舞台で観てみたい(彼が舞台演技ができるのなら、だが)。
この映画にエキサイトする男子は多いんじゃないだろうか。が、結局一晩経てば皆、ネクタイを締めて通勤し週末に購入する新しい電子レンジのカタログを眺めるのかと思うと、芸術の無力を感じる。俺だって結局同じだ。
でも野生の狼みたいな目つきに帰ろうと思う今日この頃。そうベンジーも言っているぜ。しゃらりーん、はっぴー・まいんど・いず・にありー・いーくぉーる・とぅ・くれいじー。
しかしDVD安いな。ブラピが2000円で買えるのか。CDより安い…。
追記: と思ったら、2000円どころか1000円切る奴を発見。ザーメンファイトクラブ(笑)とかいうAVも検索に引っかかったが、それより1800円も安い…。大量消費社会というのはすごいものだ。
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