PLAYNOTE 庭劇団ペニノ『UNDERGROUND』

2006年09月28日

庭劇団ペニノ『UNDERGROUND』

[演劇レビュー] 2006/09/28 02:07

随分前に観たのだが、今ごろ。飛ぶ鳥も落とす勢い、庭劇団ペニノの新作。下北沢ザ・スズナリにて。

地下にあるふるーい手術室。ディテールはリアルだがどこか歪んでいるセット。小人の医師と多数の女看護師(看護婦って書かせろよ、文部科学省のばか)が始める手術も、リアルなスタイルから徐々に現実感を失って行き、患者の腹からありえないものを取り出したり、最後には医師が出て来たり、歪んで行く。バックには、芝居に合わせるようにジャズバンドが演奏を繰り広げる。それは手術の進行具合に合わせるように奏でられ、あるときは医師が指揮をしたり、合図を送ったりアイコンタクトを交わしたり。
※ちゃんとした説明が読みたい人はぐぐって他の人の書いたちゃんとした説明を読んで下さい。

イメージの連鎖の波間をたゆたいながら、ジャズを感じ、泳ぐように観ると心地よい作品だが、シュールレアリスムのような楽しみ方を除けば、個人的にはあんまりぐっと来なかった。

こういう作品に対して「意味不明」「中身がない」というのは野暮なこと、ではあるが、そう感じてしまった。真似っこ抽象画とカンディンスキーの間にある大きな溝。言ってみれば、そういう物足りなさを感じたな。ここは自分の感性を信じるしかないし、そもそも鑑賞というヤツをやる場合、自分の感性以外を引き合いに出すのは馬鹿のすることだ。というわけで、自分はあまり面白くなかったが、否定するわけでもなく、楽しめる人もいるだろう。それに、こういう志向や路線を持った劇団が下北沢でやっていることを、僕は嬉しく感じる。

終演後、作・演出のタニノクロウ氏の生トークを30分ばかり拝聴したが、オフレコにしておく。