PLAYNOTE 活劇工房『琉球哀歌』

2006年07月06日

活劇工房『琉球哀歌』

[演劇レビュー] 2006/07/06 23:46

怪奇♪ヒューマン人間以来、世話になりっ放しの小林寛斉が作・演出で、合い方の園原スポポビッチ行貴が制作を担当しておったので観に行った。活劇工房アトリエにて。

五分ほど遅れて入場。すでに超満員の活劇アトリエ。暑い。こんなに暑い劇場ははじめてだってくらい暑い。だがウチワを配っており好感度がグーンとアップ。受け付け回りの荷物預かりもしっかりしてて、活劇工房の親切さを実感。

遅れて入ったので、芝居の中身についてあまり突っ込んだことが言えない(批評をする以上、演出の始まりである客入れ状態から見ていなければ何も言い得ないだろう)。が、「伝えたいこと」がしっかりしており、「戦争を語り継ぐ」という若者ではなかなか辿り着かないようなメッセージも入っており、ストレートだが素直で球威のある芝居でした。

人間は環境の生き物だ。顔の作りの七割は先天的な「遺伝」によってではなく、後天的な「性格」によって決まる、と前に何か科学の本で読んだけど、全く違う状況下で育った二人の「自分」が対峙する、という台本の着想は素直に面白いと思った。個人的にはその対立軸を中心に据えて、絡みの役のウェイトを減らしてでもしっかり描いて欲しいなと感じたが、それにしても面白いアイディアであり少なからず考えさせられた。いろいろな人物の絡みや思惑を描こうとし過ぎて、少し中心がぼやけたきらいがあったのが残念。

役者さんは、基礎練・肉練をしっかりやるというイメージのある活劇の割に、基本的な発声ができていない人が多く、少しつらかった。役のイメージや台詞のニュアンスの表現を声量でつけようとしちゃいけない。客席数1000人超の大劇場でも通るか細い声、という奴が、演劇であり俳優のテクニックなんだと思う。

それにしても大勢の客が入っており、明治大学における活劇工房のパワーを感じた。あれだけ人数がいるんだから、早稲田の劇研みたいにユニットどんどんやってもっと半端なく個性のある芝居とかやって欲しいなぁ。

それにしても、あれだけの大人数をまとめきった小林くんはすごい。普段の謙虚さ・控え目さからは想像ができない。大したもんだ…。