PLAYNOTE 青春事情『静かの海』

2006年04月17日

青春事情『静かの海』

[演劇レビュー] 2006/04/17 00:39

すごく久しぶりにお芝居を観た。DULL-COLORED POPにしょっちゅう出ており深い因縁のある清水那保と、以前マクベスで絡んで以来、知り合い以上友達未満みたいな微妙な距離感にある加賀美秀明が出ておるため。新宿パンプルムスにて。

新宿は雨でありパンプルムスは人の波であった。よくもまぁこの狭い劇場にこんなに詰め込んだな、という感じで、好印象。これだけ客を呼んでいるってのは、それだけですごいことだ。制作をはじめ関係者が作品に自信を持っていなくちゃできないこと。

いきなり舞台上にベッドが置いてあり驚く。出た、病室モノだ! 涙腺刺激力が半端ない符号であり一度は使ってみたいシチュエーション。しかもベッドがあれば男女関係だって相当えげつなく深く描ける。いいなぁ。一度やってみたい。

客入れ音楽もなくブルーめの明かりで陰惨な感じの前印象だったが、はじまるといきなり漫才。以後、死の予感をどこかに残しつつも、しっとりはしてもじめじめはしない、爽やかな劇風を貫く一同。恋愛と言ってもチューもしやがらねぇし、六年も七年も思い続けたり、人物が正面からぶつかり合って傷つけあって、とにかく爽やか。

彼らが山あいの清流を泳ぐメダカなら、自分は泥の中で共食いするザリガニのようなものなので、正直苦手であったが、こういう確固たるカラーを持っているというのは、偉い。

劇展開には、もう一つ何か予測不可能な胡椒が欲しいと思った。客入れ中にイメージした病室ドラマの想像図の中に収まってしまった感じ。キャラクターにきちんと口癖や性格が通っていて、役者のカラーにもあっていたのは良いなと感じた。照明、舞台上の光量が場所によって違い過ぎており、パンプルムスとは言えもちっと頑張れたのではないかしら。

清水那保は今一つ。舞台のリアリティってのは、台詞の良さや構成の緻密さではなく役者の身体からしか立ち上がって来ないものだが、少なくとも俺には彼女が薄命には見えなかったし、月や天体に対して何か思い入れがあったようには思えなかったし、加賀美くんの役のことが本当に好きだとは思えなかった。もっと命懸けで芝居やれよ。あと声出せ。

加賀美くんは相変わらず安定しており○。早口が目立ったのと、ちょっとおいしい&カッコ良すぎる役だった点が残念。あの人は意外とみっともない役をやらせると面白い。パンフを見た限りでは役名と名前が照合できないのだが、酒屋の息子役をやっていた人の空気感が大変よかった。間もよいし声がよいし愛嬌がある。あと看護婦役の人がわらびもちのような独特の空気をまとっており大変よかった。医者(先輩)役の人は相変わらずおいしいとこ持ってくなぁ。

こういうパステルカラーなお芝居がこれだけの集客をしているということ。昔だったらちょっと危機感を感じて自分の書くものを考え直しちゃったりしてたのだろうけど、気にしない。むしろもっとドロッドロな方向に落ちていきたい。