PLAYNOTE ユーゴザーパド劇場『マクベス』

2006年03月26日

ユーゴザーパド劇場『マクベス』

[演劇レビュー] 2006/03/26 02:35

ロシアの劇団・ユーゴザーパド劇場の『マクベス』。お金がないから観れないなぁ、と思っていたら、すごく意外な人からチケットを頂いて一緒に観た。天王洲アイル・アートスフィアにて。

今一つ心に響かないマクベス。とりあえずメモだけ箇条書きっぽくずらずら残しておく。

台詞や構成をばしばし変えまくっており、その勇気には脱帽するものの、原本より悪いなぁと思うところもしばしば。冒頭で「きれいは汚い」言わなかったり、ダンカン王が「見た目で本心はわからぬ」と言った直後、入って来たマクベスを賞賛する皮肉が台詞の順序が崩れて消えちゃってたり。ロスが門番も兼ねていたり、夫人の台詞を魔女に割っていたり、面白い試みもあったし、基本的にはこういう改変は嫌いではないから、まぁいいのだけれど。

魔女の造型がすごい。上半身裸で客席に背を向け、後頭部に銀色の仮面をつけている。「ひねこびた姿」、異様な存在感を現すには面白い趣向。もっとも前から話には聞いていて、「グロテスクなのかしら」と思っていたら実は意外とユーモラスな感じ。

夫人はいわゆるマクベス夫人のパブリックイメージをそのまま体現したような。男勝り、強気、権力欲の強い。マクベスは、よくわからん。王様殺して後悔してる最中にセックス始めており驚いたが、全体的に心情の流れが掴みづらかった。

ロシア語がわかればなー。字幕はもちろん出たんだけど、字幕のタイミングがめちゃくちゃ。それに、あれだけ身振り手振り大きく、客席に大見得切ってやってるような芝居なのだから、台詞もきっと歌い上げるような音の醍醐味のある演技に違いない。字幕じゃ汲み取れないニュアンスもあるだろう。ロシア語がわかればな。

セット。裸舞台、バトンが高さ5mくらいのとこに降ろしてあり、高さ3m程の巨大な鉄の回転扉が四枚。これをぐるぐる回しながら場転や殺陣をやる。この演出は、最初はパッとしないなーと思ってたけど、後半人が死に出して&魔女の動きに絡んできてからぐっと面白い効果を出しておった。

さっきちらと書いたけど、ロシアの劇団がこれだけ大振り・面切りな芝居をやっていることに一番驚いた&感動した。前半の浮かれたムードも人がよさそうで&バカっぽくて良い。