PLAYNOTE 猫道一家『丸井血風録』

2006年01月08日

猫道一家『丸井血風録』

[演劇レビュー] 2006/01/08 01:00

友人の岩藤一成が出ていたので観に行った。ライブハウスっぽいところでやっていて「やられた」という感じ。いつかやってみたいと思ってたので。

芝居の方は2時間20分@桟敷席で悶絶したが、誰もウケてないところで爆笑したり、客席に投げ込まれたジャムを片っ端から投げ返してやったりと、自分なりの楽しみ方で楽しませてもらった。しかしあんなに駄菓子とか火炎とかジャムとか飛んでくるのなら開演前にアナウンスしとくのが筋だと思う。それはロックがどうこうとかいう問題ではない。

主演の吉田ミサイル氏の相変わらずの存在感とアドリブ感に拍手。豪胆で洒脱で見ていて気持ちがいい。岩藤は相変わらず大馬鹿野郎であり素晴らしい魔界ギャグの数々であったが、やはり発声の弱さが浮き彫りになった格好。猫道氏は今回控え目のポジショニングであったがさすがに安定感があり◎。あとあんなに面切りでの芝居がハマる人も珍しいだろう。普通に会話してるより、キャパ睨んで台詞ぶっ放してるときの方が俄然いい。確かに傾いていると思う。

脚本は面白い仕掛けやモチーフが随所に見られなかなかよかったが、主役の男の痛切さが今一つ響いて来なかった。「自分がなくなる」というモチーフの提出がやや突飛だった感が。余計なギャグが多く長過ぎたというのも一因とは思う。台詞は傾いておりよいものがちらほら。

ちなみに「傾く」と書いて「カブく」と読むよ。ロックと歌舞伎とナンバーガールと岩藤一成が好きなんて、猫道氏には表現の方向性こそ全く異なれど根底で何か通ずるところを感じる。あと歌舞伎ロックスを思い出してしまう。