PLAYNOTE I love Shinjuku

2005年12月29日

I love Shinjuku

[雑記・メモ] 2005/12/29 02:00

夜の新宿を歩くのが好きだ。知ってるかい、新宿は宇宙なのだぜ。

新宿、何でもあるかわりにすべてがてんでんばらばらで、ただそこに放り出された人間とビルヂングがめいめい勝手にくすんだ光を放ちながら漂っているだけ。ザッツ新宿。オールライト。

新宿で見つけられるもの。欲望。速度。酒と食事、そして嘔吐。ラジオ・ノイズのような足音。それなりの服や靴。虚しさ。百貨店。サブカル。ハロー&グッバイ。万年筆やタイピン。路上には若いアーティストと浮浪者。この統一性のない混濁した色合いが新宿の宇宙的な個性を作っている。

渋谷、原宿、上野、池袋。これらは何かしら特徴のある街である。そして街のイメージが人を惹き付ける求心力を生み、集まった人と物は方向と力を持ったベクトルを生じ、そして街のイメージをさらに色濃く強める。だがそういった個性が新宿にはない。ただ立地と物量の利便性に引かれて集まって来た人間らが、わいわいがやがややっているだけだ。人々は新宿の色に「惹かれて」来るのではなく、その溢れ返る雑多で莫大な質量に「引かれて」来る。

あれだけ人間が密生しているのに一つも繋がっておらず、ベクトルも持っていない。すべての人間と他人になれる街。人間的交流の真空地帯に浮遊して虚栄心に追われるヤギの群れ。メーメーメー。メトロポリタン・シティ・TOKYOのよくできたメタファー。だから新宿が好きだ。

靖国通りを歩いていると、アステロイドベルトの真ん中、音も気温も伝わらない真空の世界で、遠くに光る青い星を黙々と観測している宇宙飛行士のような気分になる。その瞳に憧憬や望郷の光が灯ることはあっても、窒息することはない。だって俺たちヤギだもの。だから新宿が好きだ。

まだ三杯水割りを飲んだだけだから、俺は素面だ。