PLAYNOTE YASA-GREATERS『オヤジ13』

2005年11月27日

YASA-GREATERS『オヤジ13』

[演劇レビュー] 2005/11/27 01:09

友人の加賀美くんが出ているので観に行った。都営大江戸線・牛込神楽坂駅から徒歩二分のとこにある theatre IWATO にて。

本番三週間前くらいに作・演出の交替劇があったそうだけれど、実によくできたドタバタコメディ。出演者がみんな自分の立ち位置をしっかりわかっていながらも貪欲で、息が合っていて。久々に小劇場で気持ちのいいコメディを観たなぁという感じ。

ストーリーの構築は、若干強引でご都合主義的だったけれど、シリアス劇だったら「そんな偶然ねーだろ」や「このシチュエーションでそんな台詞言わねーだろ」ってなるところもしっかりコメディの文脈に組みこまれているから逆にその強引さが面白かったりして◎。キャラクター設定としては、リストラされたリーマンとかボケ老人とかニートとか強引で乱暴だけど不器用で情に弱い寿司屋とか、「どっかで見たぞ」っていうステレオタイプも多いけど、王道を行く感じがして決して悪い印象ではない(むしろボケ老人をキャッツアイに繋げた発想力に拍手したい)

役者さんがまたみんな器用で個性的で実によかった。ボケもうまいがそれよりもツッコミや間の取り方がうまい。しっかりギャグを拾っている。方向性としてはオーソドックスな笑いだし、一つ一つが飛び抜けて笑えるわけではないけれど、呼吸とテンポがいいから滑っても気にならないし、しっかり作り込むと王道ギャグも全く色褪せないんだなぁと勉強になった。

スタッフ面でアラはあった(強過ぎる&使い過ぎる目潰し、L/Rがおかしな効果音、転換曲の繋ぎ方、作りの粗いフスマ、etc.)し、台詞も噛んだり間違ったりしまくってたのが残念と言えば残念だし、この笑いにプラスアルファで一つインパクトのある話の軸や展開があれば、例えば三谷幸喜のような深み・厚みが出たと思うけど、とにかく二時間いい空気の中で楽しませてもらったので満足でした。

役者では、知り合いで贔屓してるわけではなくて、本当に加賀美がよかった。理知的な芝居をする人というイメージがあったのでワイルドな役柄で驚いたけど、客の呼吸をとらえた絶妙の芝居をしていた。あの勢いとキレのよさは舞台を引っ張る力になるだろうから、次は準主役とかじゃくてズバリ主役で観てみたいな。
そして相手役の岩井望美さんも素晴らしかった! 何だろう、あの不思議な脱力感と言うか、茶目っ気と言うか、いたずら感と言うか。ちょっと声量が他の役者に比べて不足している感はあったし、フロントマンではないと思うけど、あの絶対的な個性と魅力はいろいろ補って余る。次の舞台があるなら是非観たいと思った人。
あとは主役のニート・斎藤啓佑さんもよかった。ぬぼーっとしてる割にツッコミの速度とタメが見事。最初はダメ人間で最後爽やかで、その後またダメと演じ分けててGood。

リンク: 劇団ヤサグレ