PLAYNOTE あだち充『タッチ』

2005年11月18日

あだち充『タッチ』

[読書] 2005/11/18 22:48
表紙絵

夏休みの再放送とかでアニメをちらっと観ただけだった『タッチ』の原作をぐずぐずで合間合間を縫って読んでた。そして読了した。いやー、こんないい漫画だったとは思わなかった。

別の場所に書いたものをそのままこちらにも。

素晴らしい!何だろう、この読後の底知れぬ清涼感は。ちっともクサくもあざとくもないのに感動的なストーリー。出来過ぎた展開すらすんなり納得させてしまう魅力的なキャラクター。映画的な見せ方(モンタージュ)をふんだんに取り入れた、そして完全に漫画的な表現を昇華し芸術の域にまで高めたコマ割・見せ方。素晴らしい!

一冊の本は時として人生を変える。この一冊が人生を変えた、なんてそんな大袈裟なことは言わないけど、今日読み切った一冊はきっと自分の血肉になるぜ。こういう出会いを大事に、一冊一冊大事に読んでいきたい。

いい意味で読者の裏をかく展開や綿密かつさり気ない伏線に魅せられっぱなしで、一話一話退屈せず読めた。前半はただの学園ラブコメって感じでちょっとぬるかった感じがするけど、有名な「綺麗な顔してるだろ……」の辺りから完璧に引き込まれてしまった。

漫画として面白かったとか感動したとかよりも(いや面白かったし感動したんだが)、そう言った見せ方の上手さに驚愕した。大事な打席で勝負が白熱する中、読者が前のめりになった瞬間、ページを繰ると突然南ちゃんのサービスカットになったり、シリアスな会話の最後にしっかり軽い笑いでオチをとったり。手塚治虫が物語が暗く・重くなり過ぎるとヒョウタンツギを出してバランスをとった、みたいな話を聞いたことがあるけど、同じような感じなんだろうか。漫画も奥が深い。

悲しさにしても喜びにしても、ぐわーっ! と叫ぶように描くのではなく、ぽそりと呟くように見せるやり方は涙腺ぼろぼろみたいな状態にはならないけれど静かに重く深く印象に残る。無表情とも言いたくなるようなさらっとしたキャラクターの表情描写は、逆に読者がキャラ側の視点に立って心情を考え、感情移入するのを促しているかのよう。

さすがに達也と南は能力的にはスーパーマンだけど、それでも等身大の悩みがあるし、脇キャラの苦悩までしっかりすくって表現している点が素晴らしい。三枚目の変化球投手・西村のエピソードや、コワモテ監督・柏葉の感情の変遷なんかは本筋にヒケをとらず引き込まれた。よかったなー。

べらべら書いたけど、とにかくよかったのでみんな読むといいと思います。最近の漫画のように絶叫や号泣で感情を描くのではなくて、さらっとさり気なくでも繊細に描くこの独特の読書感は、結構個人的には衝撃でした。面白かった。

コメント

投稿者:search engine optimization vancouver (2012年01月13日 06:36)

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