PLAYNOTE チェルフィッチュ『目的地』

2005年11月11日

チェルフィッチュ『目的地』

[演劇レビュー] 2005/11/11 19:30

あちこちで評判が大変よかったので観に行った。駒場アゴラ劇場にて。

※チェルフィッチュに関しては大してレビューも読んでないし劇団側の意図等もよく知らないので素直に感想書きます。

別にブザーがなるでも暗転するでもなくとつとつと普通のナリをした女性が歩き出てきて「えーと、これから『目的地』というのをやるんですが、その前にまず、前田さんの話をやります」とか言ってスタート。以後、若者言葉と言えばいいんだろうか? ナチュラルな言葉遣いを極めて極めて突き抜けて、逆に様式的とさえ言えるほどフツーの現代語でだるだると喋る女性。突然話手から登場人物に変わったりして、この辺の表現はとても演劇的で面白い。肩の力が抜けた感じ、もっと言えば“素”っぽくやってるけど、実は恐ろしく演技の器用な人たちだなと思う。

話してる最中、あれこれと身振り手振りがつく。日常生活で手持ち無沙汰な僕や君がよくやる意味のない空を泳ぐ手、ああいう動作。面白いのはそれが徐々にリピートされる中でエスカレートしていって、ほとんど振り付けの域に達し、最初は自然な身振りだったものが最後には人物の興奮や当惑を体現する象徴的な動きになっていくところ。これは面白い試みだと思う。

とは言え、自分はあまり楽しめず劇場を出た。結局のところ自分の趣味なんだけれど、こういう穏やかなものじゃなくてもっと峻烈なものを劇場で観たいと思うんだろう。とりとめのない友達の話を聞いているような感じで、時折すごく微妙で繊細なニュアンスがぐっと立ち上がって来る瞬間はあるんだけれど、全体的にぬるく感じた。これくらいの「ぐっ」と来た感なら、毎日どこかで味わっている気がする。

とは言え、既存の演劇の表現体系からぐっとはみ出る形の芝居で、何か底知れぬ可能性を感じたのは間違いない。この先の展開に大期待。

コメント

投稿者:りゅーせ (2005年11月15日 01:25)

先日はお疲れ様でした。

>とは言え、既存の演劇の表現体系からぐっとはみ出る形の芝居で、何か底知れぬ可能性を感じたのは間違いない。この先の展開に大期待。

僕も観に行きましたが、あの表現体系は確かに面白いけれど、
あればっかやっててもしょうがない気がしましたね。
岸田戯曲賞を受賞して、この先どうなるか非常に気になる劇団です。

投稿者:Kenichi Tani (2005年11月16日 01:39)

あんまり詳しく調べてないけど主宰の人はかなりおっきな&ユニークなビジョン持ってる方のようだよね。今回の芝居はあんまりカチッと俺にはハマらなかったけど、今後チェックしていきたいな。