PLAYNOTE 愛読書・愛聴盤

2004年01月01日

愛読書・愛聴盤

[雑記・メモ] 2004/01/01 02:00

Index

愛読書

「おすすめの本」としてしまうと数十冊・数百冊になってしまうので、あえて「愛読書」と銘打ちました。ただ感動しただけでなく、幾度も幾度も読み返してしまう本だけを選んであります。他は本棚をどうぞ。

表紙画像ヘッセ『シッダールタ』。「人間の使命とは己に戻ることだ」という『デミアン』以来のテーマが芸術にまで高められた一冊。高橋健二の訳も見事。一切の教師を捨て、放浪と遊蕩の末にシッダールタが悟りを学んだもの、それは…。読め。

表紙画像カフカ『審判』。カフカの文学を不条理だの実存主義だのの一言で片付けて、わかったような顔をしている常識人は死んでしまえ。読む度に違う地平が開ける現代の寓話。

表紙画像シェイクスピア『マクベス』。シェイクスピアの最高傑作。シェイクスピアの悲劇中最も短く、最も凝縮された一作。心理劇としても史劇としても抜群に面白い。野心と裏切り、疑心暗鬼。現代にも通ずる人間の心の闇の悲劇。ぜひ格調高い福田恒存の訳で。

表紙画像The Theatre and Its Double。ブレヒトと並び20世紀前半の演劇界に大きな影響を与えたアルトーが残した唯一のエッセイ集。文体は詩的で難解、内容もおよそ実践的とは呼び難く、体系立った理論とは言えないが多くのインスピレーションを得た。日本語版読んだことないので洋書を。

表紙画像J.R.R.Tolkien『Leaf by Niggle』。もちろん『指輪物語』もバイブルなんですが、あえてこちらを。トールキンの死生観・芸術観がしたためられた神秘的な小品。邦訳も出ていますが、簡単な英語なので是非原書で。

表紙画像チェーホフ『かもめ』。劇作家・チェーホフの出世作にして代表作。若き芸術家の破滅までを描く。

表紙画像ニーチェ『悲劇の誕生』。ギリシア悲劇を考えるにあたって必読の書。

表紙画像J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』。ざっと読んだ感じでは村上春輝の新訳よりこっちのが好き。一行一行からサリンジャーのみずみずしい感性が沸き立つ名作。

表紙画像ヘミングウェイ『老人と海』。人生とは何か? その問いに対する一つの答え。叙事的につづられた抑え目の文体が、却って淡々と人生の陰影を浮き立たせる文章の奇跡。

表紙画像『モーパッサン短編選』。実はモーパッサンは長編『女の一生』『ベラミ』などの方が好きなのだが、やはり読み返してしまうのはこちら。代表作のいいとこどり。人生の劇的なる瞬間を切り取って彫像化した珠玉の短編選。


愛聴盤

「ビートルズ全部」とか書けばそれで終わりなんだけど、それじゃ身も蓋もないので、絞りに絞って六枚。

ジャケット画像The Beatles『Abbey Road』。ビートルズの実質的なラストアルバム。60年代のバンドとは思えない革新的な音作り。シュールレアリスム詩の傑作とも言える歌詞。多彩な楽曲。コーラスとメロディの美しさ。語り切れない。もはや音楽の麻薬。

ジャケット画像The Beatles『Magical Mister Tour』。ポールとジョンの才能が両方楽しめる名曲揃い。余談ながらビートルズのCDは『Let it be...Naked』を除いて国内盤を買うべし。歌詞・対訳付きのブックレットが付きます。

ジャケット画像BLANKEY JET CITY『C.B.Jim』。メロンソーダとチリドッグ、それさえあれば生きていける。暴力と叙情に満ちた詞、ロックンロールの悦楽を思う存分味わわせてくれるバンドサウンド。和製ロックの最高傑作。

ジャケット画像ナンバーガール『シブヤ・ロックトランスフォームド状態』。初めて買ったナンバーガールがこれ。まだメジャーになる前に購入、以後聴き続けていただけに思い入れがある。たぶんMCとか全部覚えてる。ナンバガの魅力が最も凝縮された一枚。

ジャケット画像ゆらゆら帝国『ミーのカー』。テンションが上がらない朝には二曲目を最大音量でかける。「俺はもう駄目だ、オーイエー、俺はもう駄目だ」、ずっと叫んでると何かもうどうでもいいやと思えて来る。ロックンロール万歳。

ジャケット画像Janis Joplin『18 Essential Songs』。60年代のロック・クイーン。喉から搾り出すような歌声に体が震えるぜ。ロックロック。

ジャケット画像SOPHIA『マテリアル』。ごめんなさい、昔好きでした、SOPHIA。今聴くと少し恥ずかしいけど、馬鹿馬鹿しくもありナイーブでもある松岡の詞と凝りに凝った音作りは今でも好き。ポップだがロック。名曲『黒いブーツ』収録。


映画・ビデオなど

映画は「これ!」というものがないのですが、ビートルズの二作品はビートルズがそこそこ好きな人には是非おすすめしたいです。バレエは、僕は下記の二作品がきっかけではまりました。

ジャケット画像The Beatles『Magical Mystery Tour』。1967年にビートルズが撮ったテレビ映画。こんな前衛的でサイケデリックな作品を67年に、しかもテレビで流した! 当時のポップカルチャーの底力を感じるナンセンス映画。

ジャケット画像The Beatles『Yellow Submarine』。アニメ映画の人気投票ではディズニーや宮崎駿を抑えて必ず上位に食い込むアート作品。ストーリーは三流。音とビジュアルのミクスチャーが最高気持ちいい。サイケデリック、電波ゆんゆん。視覚のLSD。

ジャケット画像『二十世紀バレエ団の芸術』。バレエ=チュチュとトゥシューズ、という図式はもう半世紀も昔のこと。開花が遅れた分、今や最も前衛的なものになりつつある舞台芸術、それがバレエ。このDVDに収録の『ボレロ』を見れば必ずや認識が変わります。

ジャケット画像『ロミオとジュリエット』。一見端正な正統派バレエ。見返すうちに、振付家ケネス・マクミランの真髄が見えてくる。若きアレッサンドラ・フェリの伝説的な名演が記録された一枚。恐らくこれを超えるロミジュリは、演劇・映画・オペラ…何を使っても作れまい。