PLAYNOTE 二の轍を踏まない。

2005年06月10日

二の轍を踏まない。

[公演活動] 2005/06/10 04:41

最近は、演出をやることになった明大文化プロジェクト・第二回公演『マクベス』に向けて、Eight Days a Week くらいな勢いで稽古やら調べ事やらしている。明大完全バックアップで予算も人も劇場も無茶苦茶大掛かり。素直にチャンスと見て全力な俺。

この企画自体去年が一発目で今年はまだ二回目なんだけど、とにかく今年は去年の「二の轍を踏まない」ってことが一つの努力目標になってます。

去年の舞台は観てないので全然内容の良し悪しは語れないんだけど、出演者でさえ「あれはねぇ…」と言ってしまう辺り、あまりいいもんじゃなかった感じはしてる。

一番可愛そうなのが演出の松本くん。去年、公演直前に、イギリスから激励メール送ったら、
「俺は演出なんて名ばかりで、ちっとも演出してないからさ」
みたいな妙に哀愁のこもった返事が来た。謙遜だろうと思ってたけど、どうやらそうでもなかったらしい。

明大が発行してる『思索の樹海』という小冊子に、去年の関係者インタビューが載ってた。文学座出身の俳優で、この公演企画の監修者でもある原田大二郎氏と、去年の演出の松本修一くん、明治大学・佐藤正紀教授の三人の個所から。

原田 修一なんかは僕の下ですごい日陰になってきたわけです。彼が演出したんですから、彼がいなかったらできなかった。
松本 演出はしてないです。
佐藤 やろうとすると、大二郎さんがやっちゃったりして。
松本 端から全部止められちゃうんです。だから、やれるための下地づくりですね。役者のほうをまとめるとか。

…。ひどい。演出家が自分の名前をクレジットされた作品について、「演出はしてない」と言わなければならない状態。悲惨だ。

そういう去年の状況を聞いていたので、今年は顔合わせのときから大二郎さんと喧嘩しまくっている。あの人の素晴らしいところは、こっちが本気で喧嘩すると本気で喧嘩し返してくれるところだ。自分のような経験のない若輩者に、演技歴四十余年の円熟俳優が手加減せずに話をしてくれる。こんなに嬉しいことはない。

大二郎さんはもはや伝説となった感のある『NINAGAWA マクベス』にマクダフ役で出演してたりして、蜷川氏と随分一緒に仕事もしている。それに経歴とかでなく、本渡して一つ台詞を読ませると空間を支配するすごい演技を見せる人。正直、そんな人相手に演出プランを披瀝するのはもうこっぱずかしくて仕方ないんだが、だからこそ逆に滑稽なくらいに全力じゃないといけないんだと自分を奮い立たせたり。

最初は本当に「喧嘩」のようだったやりとりも、徐々にいい関係になってきて、今では割と信頼に近いものすら感じることもある。やりとりの中から学ぶことも多い。しっかり話をしてよかったなと素直に思う。

去年の「二の轍を踏まない」その2は、スタッフ仕事。去年は全部プロスタッフに任せ切りだったのを、今年はまず学生の方から原案を出して、それをプロと相談しながら修正していくという形で進めている。これもいい感じで進んでいるよ。

同じく『思索の樹海』から去年の舞台写真。

alternate text
明大文化プロジェクト公演『ヴェニスの商人』 (2004)

…うわぁ…。何だこのノッペリした舞台は…。作りはしっかりしてそうだけど、デザイン的には良くない。「台詞を大事にする」って趣旨のためにあえて簡素化した、ってことかもだけど、ちょっと時代に逆行した意匠である気がする。

今年舞台美術をやってくれる子はものすげーセンスとガッツのある子なので、素人だけどうまいことプロの監修を吸収してくれればいい舞台が立つと思います。あとマクベス夫人役がすごくいい女優です。皆様、ぜひ明大文化プロジェクト第二回公演『マクベス』にお越し下さい。九月だよ。

コメント

投稿者:しんと (2005年06月10日 10:05)

絶対観に行くので楽しみにしてるので頑張っておくれ~。
谷と大二郎さんのバトル見てみたかったなぁ

投稿者:しのぶ (2005年06月10日 10:28)

本気って素敵!絶対観に行きます。
掲載されている去年の舞台写真は稽古場写真ではないのでしょうか?衣裳がかなりカジュアルなような。そういう演出だったのかしら?

投稿者:おか (2005年06月10日 14:53)

舞台は、大二郎さんのデザインですよん

投稿者:Kenichi Tani (2005年06月11日 16:57)

>しんと
是非お見せしたい。もうメールのログとかすごいことんなってる。

>しのぶ
ありがとー。一番いい席用意しとくぜ。衣装は普段着だけどセットは本番用の奴を舞台に建て込んだ奴みたいだよ。

>おか
納得。今年も使いたがった意味がわかった。