PLAYNOTE ラブリーヨーヨー『Lovely』

2005年06月09日

ラブリーヨーヨー『Lovely』

[演劇レビュー] 2005/06/09 02:35

いつものラブヨーとは随分違う雰囲気。いつもの全力でバカをやるコメディ中心の作りではなく、作り込まれたストーリーを見せ、人生への一つのでっかなクエスチョンマークを提示する芝居。ラブヨーの作風的ターニングポイントとなるか? 下北沢駅前劇場にて。

クリスバングという架空の街を舞台に語られる、寄宿舎生たちの同性愛のお話。とは言え同性愛自体を描くことじゃなくて、同性愛っていう不可能な形の愛を通して人物の苦悩や歪みを描いていた。

三面スクリーンに投射される映像と柔らかく繊細なテーマ音楽が芝居の空気を作っていて、悲痛なお話なんだけど何かどっか暖かさがあったな。作り込まれたセットと気品のある照明が芝居のフレームを視覚的にうまく演出していたと思う。

しっとりと柔らかく落ち着いた空気の中で、落ち着いた演技を見せるラブヨーメンバー。ちょっと新しい。いつもはギャグにげらげら笑うのがメインだったから気づかなかったけど、しっかりした役作りに感心する。みんな愛嬌とパワーのある役者さんなので、芝居はすごく地に足がついていたと思う。

作演も兼ねる久米さんのテンション高い芝居が無茶苦茶好きだった。間や声の演技で、舞台上にいてもなお全体を束ねていた。すごい。峰さんの怪演と不思議ギャグは相変わらず。何か彼は動物的な演技とギャグの勘を持ってるよなぁ。今回はちょっと、いやかなりジョン・レノンに似ていて面白かった。

が、正直に言うと、この路線で行くには若干脚本が弱い気がした。書きたいことに対して芝居の尺が短かった気が。濃密な世界観とキャラ設定があるのだから、あと三十分伸ばして各人物をもっとしっかりこってり描けばぐっとよくなったと思う。ちょっと掴み損ねた感が。声が通らず台詞を聞きこぼした個所があったのも痛かった。

今回は本番中だけでなく仕込みからずっと現場にいて、いろんな人の割と熱い声が聞けたのがよかったな。作風の変化も、今回はまとまり切らなかった感があるけど応援したい。またこの人達の芝居を観たい、と思わせる魅力のある集団なので是非頑張って欲しい。

リンク: LOVELY YO-YO