PLAYNOTE 我闘戦劇ワイルドライフメーカーズ『哀愁の剣』

2005年04月24日

我闘戦劇ワイルドライフメーカーズ『哀愁の剣』

[演劇レビュー] 2005/04/24 22:23

友達が客演しているので観に行った。芝居の内容とは全然関係ないことを書きます。

「アウシュビッツ以降、詩を書くことは野蛮だ」という言葉があります。一昨日くらいに西洋思想史の授業で突然出てきて久々に思い出したんだけど、アウシュビッツ以降、悲劇を書くことも少しどっちらけな感じがしてしまう。

友達が死んだとか恋人に裏切られたとか余命一ヶ月と宣告されたとか親が破産したとかエトセトラエトセトラ、個人が感じる悲しみの総量としては、決してアウシュビッツの体験者一人が感じた悲しみの総量、それと比べて比にならないほど小さい、ということはないと思う。安物の時計一つ無くすことが恋人と死別することより悲しい、なんてことだって、状況が状況ならあるかもしれないんだから。

でも、僕達は世界中にとんでもなくギガンティックで不条理な悲しみが存在したことを知っている。どこにでもあるような悲しみをまるで世界の終わりのように誇張して、芝居にする意味ってあるのかな? 素朴な疑問。

今回の芝居でも、登場人物にしてみれば世界中が悲しみマリンブルーに染まるくらいの悲劇だったのかもしれないけれど、共感できなかったな。展開が早過ぎてついていけなかったのかもしれない。全然何とも思ってなかった異性から突然長くてヘビーな告白メールをもらったときに似た感じで、向こうは俄然盛り上がってるんだけどこっちは「え、ちょっと待って、えーとあの、って言うか、は?」と思っているような、そんな感じ。違うか。いや多分そうだ。

ウリにしている殺陣と派手な演出はさすが。世界観や人物設定がちょっと漫画チックで俺は没入できなかったけど、好きな人には燃え燃えかも。

役者が二名急病で倒れて急遽代役を立てて凌いだんだけど、その舞台根性には敬服しました。