PLAYNOTE UKC四年『The Dumb Waiter』『Don't you want to be free?』

2005年03月10日

UKC四年『The Dumb Waiter』『Don't you want to be free?』

[演劇レビュー] 2005/03/10 22:42

University of Kent, Theatre and Drama Study 四年の卒業制作。演目は、20世紀イギリスを代表する作家、ハロルド・ピンターの『The Dumb Waiter』と、黒人文芸復興(ハーレム・ルネサンス)の代表的詩人・劇作家、ラングストン・ヒュージの『Don't you want to be free?』の二本立て。キャンパス内の劇場・ガルベンキアン・シアターにて£4で観劇。

留学も最後だし、うちの学部の四年がどんだけのもん作るんだろ、と思って観に行ったが、予想以上にいいものが観れて満足気味。

The Dumb Waiter

洋書: Complete Works: One
Pinter Complete Works 1

主演の二人の演技が非常に良い。以前戯曲を読んだが、ロンドン訛りで演じていたので半分は何言ってるのかわからず。だが、喜劇作家としてのピンターの一面を浮き上がらせる好演。

セットや音楽、衣装も、戯曲の雰囲気をしっかり掴んでいて原作に忠実な劇化という印象。ピンターはきっちりきっちり演じるだけで、これだけの緊張感と笑いと不安さをもたらしてくれる。

演出・演技ともオーソドックスに過ぎてやや平凡に写ったのは残念。学生の卒業制作なんだし、セオリーに従うだけじゃなくてそれを破る試みもあってよかったんでは。自然主義以外の手法で上演されるピンターが観れるかな、と期待してただけに、ちょっと残念。

Don't you want to be free?

洋書: Vintage Hughes (Vintage Readers)
ヒュージ詩集

『The Dumb Waiter』が目当てだったけど、こっちが良かった。

開場すると、手を繋ぎ円になった一陣の役者たちがハミングやらすすり泣きやらをしている。こういうおセンチな趣向は普通嫌いなんだけど、一人一人順番に朗誦するヒュージの詩の美しさ、切実さが胸を打ち、期待が高まる。

戯曲は読んだことないけど、恐らく詩や断片的なモノローグ・ダイアローグで構成されているんだろう、その構成を生かし、ムーブメントは振付化され、台詞は時に叫ばれ、詠じられ、歌われる。主演の黒人学生の吠えるようないい声が最前列に座る俺のジャケットを震わす。歌も綺麗なアンサンブルでヒュージの詩を運び、すんなり消化させてくれる。ブルースもゴスペルも本格的で、それだけで観に来てよかったってくらい。

執筆された1936年の時勢を色濃く反映しているため、やや時代錯誤的に響く台詞もあったけど、やはり魂の底から叫ぶようにして書かれた戯曲というのは強い。ビリビリ来た。振付、特に群舞が、時々イケてないことがあって何度か冷めたが、最後まで主演の彼の熱演に引き付けられるようにして見れた。歌もうまいし声はいいし、ツラは今一つだけど、いい役者になるんじゃないかなぁ。

大学のホームページに劇中で使われていたヒュージの詩が載っていたので引用。この他に、開演前に詠まれてた"Dreams're not availabe to dreamers, nor songs to singers."(あいまい)って詩がよかったなぁ。

Still Here
I've been scarred and battered.
My hopes the wind done scattered.
Snow has frizzed me,
Sun has baked me,
Looks like between 'em they done
Tried to make me
'Stop laughin', stop lovin', stop livin'--
But I don't care!
I'm still here!'

コメント

投稿者:伊藤 (2005年03月11日 18:18)

覚えてますかー?覚えてないかもしれないけど同じクラスだった伊藤です!!帰国おめでとう&お帰りなさい!!たまにこのブログ拝見させてもらってまーす。谷君の、外国人のノリについての記事が、ほんと同感で、見てて思わずうなずいちゃいました。
私もヘボブログながら「やるなら今しかねぇ」というブログを作ったのでお暇な時は是非見に来てください!それでは!

投稿者:Kenichi Tani (2005年03月11日 20:06)

おー、見に行くよっていうかいつもチェックしてるよ。ニ三回コメント書きかけて消したりしてた(笑)。人んとこコメント書くのって緊張すんだよなー。

忘れてるわけねーじゃん!お帰りなさいってまだ帰ってねーけど(笑)。今年のよろしくー。

投稿者:本山 (2005年03月12日 02:00)

岡さんのブログみたら分かるかと思うけど、なんか谷の帰国記念飲み会がクラコンをかねてて、すっごいことになってきてるぞ!!

ともかく、飲み会はわいわいたのしもうや。

投稿者:しおり (2005年03月14日 11:48)

おう!忘れてなかったか!!今度緊張しない程度に是非いつかコメントして下さいな!こちらこそ今年もよろしくー