PLAYNOTE Dominic Savage監督『Out of Control』

2004年10月01日

Dominic Savage監督『Out of Control』

[映画・美術など] 2004/10/01 19:23
Danny

"Modern Theatre - a theatrical landscape"という講義で観た映画。自然主義およびリアリズム演劇を扱うコンテキストの中で紹介された。確かに目をふさぎたくなるような克明なリアリズム。途中、気分が悪くなって退席した女生徒が出たほど。

もとはBBC1で放送されたテレビ用映画。が、これは観る価値ありだ。少年院に送られた三人の若者が、三者三様の結末を迎えるまでを描く。三人の苦悩と、家族の苦悩と、そして少年院職員の苦悩。ハッピーエンドでもなければご都合主義でもない、まさに人生の一端をそのまま切り取ったフィルムだ。

ハンディカメラで撮ったような荒いカメラワークが逆に臨場感をあおる。構成と照明が素晴らしい。ストーリー同様、光もあれば影もある見事な画面づくり。

演技も見事。リアリズムがまだまだ力を持った表現であること、映画とリアリズムの相性のよさを改めて実感。涙を絞る母親の吐息や、ベッドに突っ伏す少年の体温まで伝わってきそうな克明な描写。

ヘビー過ぎた、というのはあると思う。吐き気こそ催さなかったが、生々し過ぎて心がずしっと重くなった。好く嫌いの別れる映画だと思う。「何もそんなこと映画にして見せなくたっていい、みんなわかってるんだから」という人もいれば、「普段は目をそむけてしまう事柄、目が届かない事柄であるからこそ、映画にする必要があるんだ」という人もいるだろう。

あんまり映画は好かないんだが、ここまで見応えのあるものを見せられてしまうとぐうの音も出ない。演劇には演劇にしかできない表現があるように、映画には映画にしかできない表現がある。このシナリオ、このプロットは、映画とそしてリアリズムの手法でこそ映えたんだろう。

字幕つきの日本語版を激しく期待。登場人物が若者ばっかだったせいでさっぱり聞き取れなかった。もう一度観たい、字幕つきで。

追記: 役者はニ三名のプロを除いて全員現地の住人や若者、素人らしい。構成はあるものの台本はなく、ほぼすべての台詞は improvise されたもの。

コメント

投稿者:ざこ (2004年10月16日 19:52)

久しぶり、たにくん。
イギリスでも元気にやっているようで何よりです。
このブログが「映画・芸術など」というカテゴリーなので
いちおうそれに近いことをコメントとして載せようと思います。
先日、新宿でポルノ映画を見てきました。
僕が行ったときは「馬小舎の未亡人」「四十路熟女 立たせます」「監禁レズ地獄」の三本立てでした。
内容には触れませんが、必要最低限の予算と人員で創り出す予定調和なストーリー、昭和的演出が冴え渡るセックスシーンは僕らを官能世界ではなく未知なる爆笑の世界へといざなってくれます。
きっと何かの糧になると思うので、たにくんも日本へ帰ってきたら是非映画館へと足を運んでみてください。思ってる以上に面白いです。そして、思ってる以上に眠たくなります。
それではまた。よかったらメールください。

投稿者:Kenichi Tani (2004年10月17日 13:28)

久しぶり!ちょっと感動だなぁ。

ポルノ映画と言えば上野、というイメージがあるけど新宿もメッカだね。「馬小舎の未亡人」がすごく気になる。やっぱり馬に犯されるんだろうか。うおー。帰ったらきっと行くよ。

日本帰ったらぜひ風俗にも行きたいです。22にもなって行ったことがないのはよくないと思う。社会勉強。あと、ぜひヤクザ映画(仁侠映画)を観てやろう。極道の何とかは全部観たい。昭和的演出って感覚わかる気がするよ。今度メールするので近況お聞かせください、では。