PLAYNOTE Open Air Theatre『A Midsummer Night's Dream』

2004年08月31日

Open Air Theatre『A Midsummer Night's Dream』

[演劇レビュー] 2004/08/31 20:00
舞台写真
ボトム&タイテーニア

ロンドン夏の風物詩(らしい)、リージェンツパークの Open Air Theatre 公演、『夏の夜の夢』を観て来た。

こんもりとした林に囲まれた、半径三メートルくらいの小規模な円形舞台。暮れなずむ空、そよぐ風、ゆれる木立。『夏の夜の夢』をやるにはこの上ないロケーション。もうこれだけで満足。

芝居そのものは正直楽しめなかった。あのパックのデザインは何だったんだろう? スキンヘッドで上半身裸の強面の男が飛んだり跳ねたり。他の妖精もそういうグロテスクな感じで、良し悪し以前に拒否反応が出た。かわいくない。

それで芝居にマッチしてればいいんだけど、人間世界の人物たちが微笑ましいドタバタ喜劇をやってるところに突然「キヒヒヒ!」みたいな笑い声をあげて、グロテスクなスキンヘッドパックが出てくる。ギャップに苦しむ。コントラストでもないと思う。最後のパックの挨拶とかも違和感だらけ。完全に妖精界と人間界が乖離してしまっていた。

人間界の方は、ギャグがぶっちゃけ低俗だったと思う。やり過ぎ。「私はあなたのスパニエル!」って言って咄嗟に四つん這いになり、その後大股開きで仰向けに寝転がるハーミア。やり過ぎ。ダイレクト&安易過ぎてちょっとしらけた。

でも、野外劇の雰囲気は格別だったな。若者からおじいさんおばあさんまで、皆たのしそう。

最近、演劇系ブログ界隈で「なんで演劇の客は少ないのか?」「つまんないからだ!」とかいうやりとりがあって「ごもっとも」と頷いていたが、こっちの劇場は芝居自体のクオリティはともかく、「劇場に行く」という行為自体がレジャーとして機能してると感じる。

演劇の面白さ、ワクワク感って、劇場の雰囲気に左右されることも大きいでしょう。劇場自体が特別な場所、居て何かしら楽しい場所であることも、演劇を面白く感じさせる一つの重要なファクターなんだな、と最近考えるようになった。スズナリはある意味特殊でワクワクするし俺は好きだが、それが一般的社会人の興味を集めるかというと否だろう。窮屈な思いして芝居観るのに俺は慣れ過ぎていたけど、それはよくないことなんだな。

高い劇場の場合も、五千円や一万円出すのが惜しくない社会人は少なくないかもしれないけど、じゃあ同じ金出したときの他の娯楽とコクーンが釣り合うか、といえば…。微妙。不確実だしオシャレじゃないし。

そんなこんなで日本の劇場も、広く人を集めるには「レジャー」になれないといけないんだと、最近ぼんやり思うのだ。

とにかく、いい雰囲気。いい空気。でも芝居はつまんなかった。長かったし。

薄くてまずいコーヒーを買うために十分以上待たされて三百円払った。冷えてない缶ビールを通常価格の三倍の値段で買った。そこは、それなりに怒っておきたい。