2004年08月25日
聖史劇『The Passion』
天地創造からキリスト誕生までを描いた『The Creation』に続いて、キリスト誕生から受難(=passion)までを描いた『The Passion』を観て来た。カンタベリー大聖堂にて。
『The Creation』同様、大聖堂内をあちこち移動しながらの観劇。演劇人なら一度は憧れる手法だが、お手軽とは言え劇的効果は高いし、場転の必要もなく、眠気覚ましにもいい(集中が切れてしまう、という難点はあるが、イリュージョンを作り出して没頭させるタイプの演劇でなければそれもどうということはない。聖史劇みたいに虚構だ、お遊び、お芝居だとわかってるタイプの演劇では、移動によって損なわれるものは少ない)。
前回の『The Creation』は本当に自分の演劇体験を塗り替えるような素晴らしい出来の舞台だったんだが、『The Passsion』はパッとせず。『The Creation』の遊び心いっぱいの民衆劇の方向性を何故捨ててしまったのか。説教臭く、真面目ぶってて鼻持ちならない。教会典礼劇のよう。つまらん。キリストの受難はいろんな意味できな臭い話題だけに茶化せなかったのかもしれないが、演出家と制作チームがすべて違うんじゃないかと思うほど味気のない退屈な芝居だった。
とは言えキリストが死んだ後、大聖堂の正門(普段一般人はとても通してもらえない神聖な場所)を通って神々しい光と音楽に満ちた Nave (身廊)に戻った瞬間には、ちょっとした興奮、感激を覚えた。壇上に列をなす黄金色の天使たちに囲まれて、威厳に満ちた言葉を力強く発する神とキリスト。鳥肌もの。神の威光を称えるという大聖堂の役目がフルに発揮されていた瞬間。あれを見るためだけでも行った価値はあったかな、と思う。
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