PLAYNOTE カンタベリー野外劇『Much Ado About Nothing』

2004年08月17日

カンタベリー野外劇『Much Ado About Nothing』

[演劇レビュー] 2004/08/17 00:17
ベネディックとベアトリス
写真写り悪い

カンタベリー郊外の St Augustine's Abbey という寺院の遺跡みたいなとこで上演された野外劇。Creation Theatre Company というカンパニーのもので、Oxford でも先ほど上演したらしい。なけなしの£14.5払って観劇。

いきなりだっさいダンスから始まる。うわぁ、痛い痛い、と思って観ていると、何か安っぽいスーツ来たドン・ペドロや、グラサン・赤シャツ・黒スーツのチンピラみたいなベネディックが現れ、「ハズレだ」と開演後五分で直感する。

セットがいい加減過ぎたので開演前からハラハラしていたのは確か。舞台中央奥にバルコニーがあり、全体を囲むように木の棒、単なる木の棒が円を描くように左右四本ずつ、計八本立てられている。色は全部赤ペンキ。野外劇なので、役者は遠景からのこのこ歩いてくる。うわぁ痛い痛い。

野外劇ってだけでワクワクする、それは確かだ。でも、まったく野外劇であることを活かせてない演出、舞台美術。この芝居のキーである「覗き見」をフィーチャーしたんだろうな、とはわかるが、間抜け過ぎてみてらんない。

演技も今ひとつ。正直、トレバー・ナンとかRSCとか割とトップクラスから見始めたので価値基準が定まらなかったんだが、今回ダメなのを見てやっぱRSCはすげぇんだな、といのを実感。ミザンセーヌが散漫に過ぎる。そこは演出家の責任。役者陣も動きにまったく気品がない。あと間抜け。舞台で棒立ちしてる時点で月影先生か蜷川さんにモノ投げられるよ、あんたら。気をつけろ!

と、前半はかなりトホホな感じだったのだが、後半から割とマシに。ベアトリスを演じた女優の活き活きした積極的な演技が舞台を牽引。彼女が出てくると舞台がしまった。相手役のベネディックもイタリア人っぽい陽気さと軽妙さがあって好感触。この二人の掛け合いは面白かったなぁ。

全体的に的外れで子供じみた演出だったが、よかったとこもあった。ベネディックがまんまと罠にはまってベアトリスのことが気になりだし、二人がばったり出会う場面。ベアトリス、バナナを食べながら登場。これにはやられた。それでも胸をときめかせ、恋に落ちてしまうベネディック。これは面白い味付けだと思う。でもそのあとバナナをベネディックの顔に投げつけたり、あまつさえベネディックがそのバナナを拾って匂いを嗅いだりとまったく馬鹿馬鹿しい悪ふざけにまで発展させてしまったのは残念。やりすぎだって。

バナナの例に限らず、恋に落ちたキャラをおちょくる点にかけてはいい趣向があちこちに見られた。恋する男は一人の例外なく喜劇役者である。

悪ふざけ、荒さ、素人っぽさが目立つ舞台だったが、その分何か牧歌的な、地元と密着したお芝居、というあたたかさがあり、終演後には意外にも好印象が残った。例えるならブリューゲルの絵みたいな、粗野で陽気なあたたかさ。

地方で一ヶ月近くロングラン、それを地元民が家族や夫婦で観に行く、なんてのを毎年やってるんだから、それだけでも素晴らしいじゃないか。

コメント

投稿者:search engine optimization vancouver (2012年01月13日 06:13)

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