PLAYNOTE 太宰治『新ハムレット』

2004年07月21日

太宰治『新ハムレット』

[読書] 2004/07/21 23:02
太宰治ポートレート
空前絶後のダメ男

『新ハムレット』という題に惹かれて買った。ハムレットを換骨奪胎し「新しいハムレット型の創造と、さらにもう一つ、クローデヂヤスに依って近代悪というものの描写をもくろんだ」という太宰治の意欲作。

原作との違いは多い。「近代版」ハムレットとしてみればまぁそれなりに面白い改変ではあるが、結果原作を矮小化している点は否めない。加えてどいつもこいつも太宰本人の影が濃すぎて、せっかくハムレットを題材にしたのに他の太宰の小説と同じ匂いがしてならない。ちょっと期待外れ。

Amazon.comのカスタマーレビューにすごいのがあった。太宰が好きなのはわかるけどね、「シェイクスピアのに比べてシンプルにして深遠に仕上っています。」は言い過ぎじゃないかい、電話番さん。どれどれ、どんなもんかね、と覗いてみる分には一見深く見えるかもしれないけれど、潜ってみないと作品の深遠さなんてわかるもんじゃない。

上演されることもしばしば、らしいけど、これほどまでに饒舌でかつ私小説的な作品が上演に耐えるのだろうか? 俺は全く上演してみたいとは思わなかったが、観ては観たい。ちょっとね。

同時収録の『女の決闘』『待つ』の方がずいぶん楽しめた。特に『女の決闘』は、19世紀と20世紀の小説がどう違ったか一読してわかる上、太宰の「ごめんなさい皆様」な感じがよく出ていて共感がわく。

(そう言えば太宰は最初っから最後まで「ごめんなさい皆様」しか言ってない気がするな。)

余談ですが、『待つ』を『ゴドーを待ちながら』と比べる解説の安直さを見て、「やっぱり解説なんか信用するもんじゃねぇな」と再確認しました。

コメント

投稿者:ぷー (2004年07月24日 17:11)

俳句もっとまじめに書いてね。

投稿者:Kenichi Tani (2004年07月28日 01:34)

すいません。でも「ビールビールビールビール」は自由律の習作なのです。ごめんなさいそれも嘘です。適当に書きました。