PLAYNOTE ジェニーンのこと

2004年07月03日

ジェニーンのこと

[イギリス留学] 2004/07/03 14:58

寮の同じ棟に住んでいるジェニーンのことについて少し書く。彼女は生粋のイギリス人で、バイオケミストリーだか何だかを専攻している。19歳。ブロンドおさげと銀色のメガネがキュートな普通の女の子だ。

俺と彼女は別段親しくない。キッチンや洗面所で会って軽く世間話をする程度だ。ジェニーンは基本的に親切で愛想もいい。俺も嫌いではない。だが、どうも彼女の話し振りには「東洋人の考えることってホントわからないワ!」という雰囲気が漂っており、俺も妙な対抗心を働かせている。

俺がキッチンで何か食っていると大抵「ワオ、何食べてるの?」と興味津々。だが大抵俺はろくなものを食っていない。味はともかくとして、見た目は間違いなく悪い。それを見てジェニーンはいつも「エーッ、何それーっ! 食べれなーい!」みたいなリアクションをとった後、例の「東洋人ってホントわからないワ!」という目をして去っていく。何か悔しい。だが実際さほどうまくないので食ってみろとは言えない。そのため毎回このやりとりとが繰り返されている。

夜遅く帰ると、いつもキッチンでジェニーンがボーイフレンドといちゃついているのには頭にくる。部屋でやれよバカと思う。寄り添ってるくらいなら見過ごそう。だがキッチンの長椅子でひざ枕して、もうずっといちゃいちゃしている。ひざ枕は俺的にアウトだ。寝ているジェニーンの髪をボーイフレンドが優しくなでている。「死んでしまえ」と思いつつ、「ハーイ」と愛想を振り撒く自分。そんな自分を俺は愛せない。

部屋に戻って一休みして、茶でも飲むかとキッチンに行くと、今度はボーイフレンドが下になってジェニーンが代わりに髪をなでている。「地獄に落ちろ」と思うが負け犬の遠吠えだ。でも交替までして延々キッチンでひざ枕するなよ。

この間、朝、洗面所でジェニーンに会った。彼女の英語は聴き取りづらいので俺はリスニングに必死。そのせいで、間違えて洗顔フォームをハブラシに乗せてしまった。口に入れて気がついた。ややしょっぱい。が、ここでオエと吐き出してゲェゲェやったらまた「東洋人ってわからないワ!」だ。

俺はこらえた。洗顔フォームで歯を磨き続けた。大和魂という言葉が脳裏をよぎったが、洗顔フォームで歯を磨いて口中泡だらけの男に大和魂を語る資格はない。ただ己のプライドを守るために、俺は平然と洗顔フォームで歯を磨き続けたのだ。偉そうに言うことでもないが。

ジェニーンが去った後すぐさま吐き出した。意外と歯がツルツルになっていたのには驚いたが、もうやらない。

コメント

投稿者:G (2004年07月03日 18:08)

一連のフレンドシリーズ
ゲラゲラ笑いながら読ませてもらいました。
アンアン・ニイハオ・パンパンがスマッシュヒット。
体験したこと無いのに克明に情景が思い浮かぶからすごい。
でも俺多分、隣でそれやられても
布団にもぐってゲラゲラ笑いながら寝られるなー。
きっと変態なんだろうと思う。


あと、イギリスガールに大和魂をいかんなく見せつけてくれたこと
同じ東洋人として誇りに思います。(笑
今度はパイントグラスでみそ汁でも作って食わせてやってくれ。

投稿者:Kenichi Tani (2004年07月03日 21:34)

俺も寝れる。でも俺は変態ではなく神だ。

ジェニーンは明日だか明後日だかに寮を出てしまうそうなので、もう夜中に帰っても殺意を募らすこともないよ。やや寂しい。悟空が死んだあとのべジータのきもちがわかった気がする。

P.S.就職おめでとう!テクニカルライターとは驚いた。完全に虚を突かれた。ポラ語専門職かと思ってたら何の関係もないのがイカす。すっげー面白そうな業界だから、帰ったら話聞かせてくれ。