PLAYNOTE 酒鬼薔薇聖斗、別人説 ─少年Aは冤罪だった?─

2004年06月21日

酒鬼薔薇聖斗、別人説 ─少年Aは冤罪だった?─

[トピックス] 2004/06/21 18:08

とにかくセンセーショナルな事件だった。彼と俺は同い年、1982年生まれ。犯人逮捕の第一報をニュースで見て、「おい、同い年かよ!」と戦慄が走ったのを覚えている。

社会的な話題に触れて「あいつは右だ」「左だ」「ノンポリめ」「人権屋が」「この非国民!」などとレッテルを貼られるのがすんごく嫌いなので、Webでも日常生活でもその手の話には触れないようにしてるのだが、偶然面白いWebサイトを発見してしまったのでちょっと書く。あの事件の犯人は、逮捕された少年とは別人だったかも知れない…という。

彼の犯行声明文を読んだことがあるだろうか? 検索すればすぐ見つかるだろうが、一部掲載。

この前ボクが出ている時にたまたまテレビがついており、それを見ていたところ、報道人がボクの名を読み違えて「鬼薔薇」(オニバラ)と言っているのを聞いた。

人の名を読み違えるなどこの上なく愚弄な行為である。表の紙に書いた文字は、暗号でも謎かけでも当て字でもない、嘘偽りないボクの本命である。ボクが存在した瞬間からその名がついており、やりたいこともちゃんと決まっていた。しかし悲しいことにぼくには国籍がない。(中略)……ボクがわざわざ世間の注目を集めたのは、今までも、そしてこれからも透明な存在であり続けるボクを、せめてあなた達の空想の中でだけでも実在の人間として認めて頂きたいのである。それと同時に、透明な存在であるボクを造り出した義務教育と、義務教育を生み出した社会への復讐も忘れてはいない。

だが単に復讐するだけなら、今まで背負っていた重荷を下ろすだけで、何も得ることができない。……(以下略)

内容はともかく。中三とは思えない整然とした文章。文意は明晰だし、なにより構成に優れている。語彙も豊富で、たぶんそこらの大学生よりよっぽどまともな文を書いている。内容はともかく。

また、彼が創作したと言われる「懲役13年」という文章にはダンテの『神曲』やニーチェの『善悪の彼岸』からの引用が散りばめられているという。『神曲』なんて俺も読んだことないぞ。

いずれも着想や比喩表現はありきたりなものの、文章力という点では中三レベルを遥かに超えている。「これぐらい書く奴いるよ」という人は自分の卒業文集を見て真っ赤になるといい。ニーチェやダンテは原典ではなく「別の本で引用されていたのを読んで記憶していた」そうだが、少なくとも文意を理解し、さらに記憶し、適切な文脈に挿入したという時点で中三レベルを逸脱している。

で、酒鬼薔薇聖斗ってすげーなー、と思っていたのだが、彼が犯行の一ヶ月前に中学校で書いたという作文を発見した。

三年生になって

三年生になり、二年の時とはちがうところが数多くありました。テストの数もふえ、勉強もむずかしくなるんだと思います。このクラスはほとんど話したことのある人ばかりですが、中には話したことがない人も少なくありません。自分から話しかけ、はやくうちとけていきたいと思います。

一年の時は忘れ物が多かったのですが、二年になりかなりへりました。だから今年も忘れ物をしないように努力していきたいと思います。それに、これまではそうじをダラダラやっていましたが、最近テキパキとできるようになってきました。

何事にも努力をし、充実した一年間をすごしていきたいと思います。

爆笑。これだよ、これこそ中学三年生の文章だよ! 明らかに犯行声明文とは別人。語彙や漢字はともかく、この構成力のなさ。最近テキパキしてきたというが、作文はダラダラしたままだ。ちなみに中学校での国語の成績は常に2か3だったという。この作文を読む限りではうなずけるな。全文読み比べたいという人はこちら。筆跡鑑定も一致しなかったらしい。こちらのサイトで筆跡を比べているが、確かに違う。

調べてみたら、この事件の冤罪説というのは相当昔からあるらしく、本も出てるし関連サイトもいっぱいある。短くまとめたものがこちら。確かに頷ける主張が多い。ルミノール血液反応の未検出は致命的だし、中学生が三時間足らずであれをすべてやってのけるのは無理だろう。

本人も母親に「本当にやったの?」と聞かれて「まちがいあらへん」と答えたそうだし、あれだけでっかい事件の裁判でこんな素人にもわかるような矛盾点が看過されるわけもないから、すぐに冤罪と決めてかかるのもアレだが、文章力の差はとにかく衝撃的だった。

俺は正直な話、酒鬼薔薇聖斗は出所したら文筆業に携わるだろうと予測していた。あれほどの文章力に加え、上に画像を掲載したバモイドオキ神をはじめとする独自の空想世界を生んだ想像力があれば、別に自分自身の手記や暴露本でなくとも十分ライターとして、あるいは作家として食っていけるだろう。

が、実際は別人だったわけだ。こないだ出所した少年Aは、上掲の『三年生になって』を書いた少年Aくんなわけだから、もう文筆業は無理。学校も出てないからガテン系で生きていくしかないだろうな。罪の重さは別として、ミラクルスーパーキチガイである彼の筆がどんな奇天烈な作品を生むだろう? とちょっと期待していた身としてはややがっかりだ。

最後に、本気で冤罪かどうか検証しているサイトへのリンクをいくつか掲載。もう刑期も終わったし今さら騒いでもどうにもならないのは確かだが、真犯人は誰か? というのはちょっと興味をそそるところではある。残りはGoogleで探して下さい。

冤罪説を訴える書籍も多く発売されている。いずれ時間があれば読んでみたい。

コメント

投稿者:Kenichi Tani (2004年06月21日 18:28)

あらかじめ書いておきますが、事件の悲惨さに反して不謹慎な調子で書かれた記事であり、ご遺族の方にはお詫び申し上げます。

投稿者:**** (2004年06月22日 13:15)

事の真偽はともかく。


作文には爆笑した。楽しませてくれてありがとう。