PLAYNOTE Unity Theatre『Midsummer Night's Dream』

2004年06月16日

Unity Theatre『Midsummer Night's Dream』

[演劇レビュー] 2004/06/16 10:30
チラシの
謎の宣伝用写真

Liverpoolの街をてくてく歩いてたら、偶然発見した小さな劇場で『夏の夜の夢』をやっていたので観てみた。その日の夜は売り切れというので翌日の時間を尋ねると、朝10:30からの回があるという。珍しい。午後も夜も予定があったので、ちょうどいいからその10:30の回のを取ったのだが…。

劇場入ってみたら全員子供だった。小学校低学年くらい。付き添いの先生が「静かにしなさい、こらっ!」みたいなこと言ってあちこち走り回ってる。…割と観劇経験は豊富なつもりだが、これは初めてだ。そう、児童劇のチケットを買ってしまったのだ。あちゃー。('A`)

でも芝居自体は結構面白かった。五幕の例の劇中劇つきで一時間半にまとめたのは立派。パックが一幕一場から登場し、最初からどんどん人々を引っ掻き回すように仕向けたのも秀逸と思う。パックのいたずらに端を発する、ある夏の夜の「夢」のお話だよ、ってことが、断然わかりやすくなっている。

役者はパック+六人、計七名。早替えの連続でたったこれだけの人数であの戯曲を乗り切ってしまった。前例を聞いたことがある気もするが、それにしてもスゴイ。

パックのビジュアルがすごかったな。ピンクの髪の毛を逆立てて、目の周りに真っ黒い墨を塗ってゴスロリみたいな服を着ていた。最初は苦笑したが、セットも衣装もデフォルメしまくってたのでそんなに浮いてない。ちなみにオベロンはマトリックスみたいな格好してた。おもしろすぎる。

ラストの劇中劇は、ビデオカメラを使った手の凝んだ演出をしていた。劇中劇にしようにも、シーシュースとスナウトが同じ役者だから顔を合わせられない。さすがに見ている観客の姿が舞台上にないと、劇中劇の雰囲気がでない。そこで、舞台の様子をカメラでも補足し、ホリゾント幕に映写することで「今までとは違うんだよ」ってことをわかりやすく視覚化していたわけだ。実際大画面に映写して映画みたいに見えたから、功を奏していた。

演出というと戯曲をアレンジする方向にばかり関心が行きがちだけど、こういうわかりやすくしてやる類の演出も確かに演出の仕事の一つ。子供向けということでやや大味ではあったが、創意工夫にとんだ面白い舞台でした。

あの月影先生も「子供が一番恐ろしい観客よ」と仰っています。子供を飽きさせずに物語りに引き込むのは本当に難しい。よくできたお芝居でした。