2004年06月05日
グローブ座『Romeo and Juliet』

苦しそう
16世紀末から17世紀初頭にかけてシェイクスピアが活躍したグローブ座を同じ場所に同じような感じで復元したのが、このグローブ座ことShakespeare Globe Theatre。テムズ河のほとり、エリザベス朝演劇特有の劇場空間がよみがえる! みたいな。よくできてます。
そんな素敵なロケーションで『ロミオとジュリエット』観劇。開演前、まだ日の沈まぬテムズのほとり、ナッツやサンドイッチをかじりながらざわめく人々。土間席はわずか£5。舞台も近く臨場感たっぷり。舞台奥の扉は開け放たれており、役者が着付けを直したり小道具で手遊びしたりしながら開演を待つ姿が見える。生演奏の楽隊によるBGMが興奮を盛り上げる中、赤い服を着た一人の男が前説をはじめた。
「レディース・アンド・ジェントルマン、ようこそグローブ座へ、上演中は携帯電話うんたら…フラッシュ撮影なんたら…、最後までお楽しみ下さいますよう!」
と、どこでもやるような前説を終え、赤い服の男、帰る。すると続いて青い服の男が登場し、なぜか同じような前説を始める。客が「??」と思っていると、すかさず赤い服の男が戻ってきて、「おい、それはもうやったよ」とばかりに喧嘩がはじまり、そしてそのまま冒頭のモンタギューVSキャピュレットの場面へ! うまい! のっけから笑わせる。
とにかく細かく細かくギャグを入れてくる。ロミジュリの喜劇面を実に生き生きと舞台化。殺陣のシーンも創意に飛んでおり、思わず熱くなる。スリリングで展開に富み、実に見事。殺陣だけでここまでドラマが作れるとは。
反面、ロミジュリの悲劇としての深刻さが失われていたのが惜しい。若いロミオとジュリエット、二人の技量不足であることは否めないが、Guardian紙の言う通り責めを負うべきは演出家だろう。ミスキャストと言ってしまってもいいと思う。ジュリエットは長台詞がまったく処理できてなかったし、ロミオは今ひとつ恋に燃えている感じがしない。クライマックスの墓のシーンで笑いが起きたのには深く同情。がんばれ、若いロミオとジュリエット。
ベストアクトはマキューシオ。原書を読んでるときはうざくて仕方なかったマキューシオだが、この舞台はむしろ彼の舞台だったと言っていい。表情に富み愛嬌のある演技。前半の活気は彼の芸達者に拠るところが大きいと思う。
ラストには二人を中心にちょっとした踊りが披露される。ここでまた感激。墓から抱き起こされ、彫像のように手を取り合った二人がふと動き出し、皆と一緒に楽しげに踊りだすシーンは、まるで天国で結ばれる二人を見るかのよう。こういう小憎い演出も含めて、細かいところできらりと光る演出が多々あったように思う。全体としてはやや緊密さを欠く舞台だったが、いい演出家なんじゃないかな。誰だか知らんけど。
グローブ座という得意な演劇空間を味わうという意味では、この上なく楽しめた一夜でした。授業で聴いても今ひとつピンと来なかったグローブ座の空気を一瞬でつかめたように思う。楽しかった。
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- グローブ座『Romeo and Juliet』 (『PLAYNOTE』)
知人にグローブ座の舞台を見せるため同伴。二度目の観劇。...(2004年08月31日 01:44)





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