PLAYNOTE サム・シェパード作『Buried Child』 by UKCD

2004年05月20日

サム・シェパード作『Buried Child』 by UKCD

[演劇レビュー] 2004/05/20 23:02

よくわからんのだがUKCD(University of Kent at Canterbury Drama …何とか?)とかいう大学の演劇部みたいなのが公演してたので観てきた。脚本家・演出家・映画監督として活躍してるサム・シェパード原作の『Buried Child』。1979年のピューリッツァー賞受賞作だ。

舞台はほとんど素舞台。普通の教室にゴンとソファーと小物が数点置いてあって、それっきり。チラシもしょぼかったし、「何だかこれはやばそうだぞ」という空気が漂う。遮光も不完全で、暗転しきらない。役者が舞台を横切ったり、片付けたりしてるのが丸見え。スタッフワークスだけ見ると高校生レベルだった。しょぼい。

が、演劇ってやっぱり演技なんだな。音響も照明も、引き立て役であって主役じゃない。もちろん必要不可欠な支えなんだけど、本当に演技がよければ演劇ってそれだけで成立してしまう。そういう基本的なことを改めて知った舞台だった。

役者は全員「ホントにこいつら大学生か」と思うほど表現力豊か。体当たりの演技。好感触。70歳の頑固じじいをよくあそこまで演じ切った。素晴らしい。マグカップを叩き割ったりビールぶっかけたり、遊び心も満載。すっげーヘビーな戯曲なのに、あちこちで笑いをとる。『ハムレット』のときもそうだったが、深刻なシーンは深刻に、笑うシーンは遠慮なく笑ってくれる、きわめて親切な観客。うらやましい。

一応一幕だけ大急ぎで戯曲を読んで行ったんだが、後半はもう叫びまくりで何言ってるんだかさっぱりわからなかった。まぁサノバビッチとかガッデム何とかとか言ってたから、大したこと言ってないんだろうけど。でも戯曲自体はすごく綺麗な戯曲。ラストシーンは台詞半分くらいしかわかんなかったけど、鳥肌が立った。松尾スズキみたいな、乾いた恐怖。いいシーン。とりあえず、明日戯曲の残りを読もう。

何だか高校生の頃、教室を改造して必死に芝居をやっていた頃のことを思い出した。技術がぜんぜんなくても熱くなれれば面白い芝居は作れるんだな。目が覚めた思い。面白かった。